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最後のロシア皇帝ニコライ二世の日記 の商品レビュー

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2020/03/01

 この本は以前から研究仲間から譲り受けて私の本棚に置いてあったのだが,今回,職場での会話をきっかけに読んでみた。その会話とは明治に起きた「大津事件」についてだ。手元にある本は,1985年発行のもので,選書に入る前の版である。  この「大津事件」について何も知らなかった私は,さっそ...

 この本は以前から研究仲間から譲り受けて私の本棚に置いてあったのだが,今回,職場での会話をきっかけに読んでみた。その会話とは明治に起きた「大津事件」についてだ。手元にある本は,1985年発行のもので,選書に入る前の版である。  この「大津事件」について何も知らなかった私は,さっそくwikiで調べてみた。そして,その事件で被害に遭った外国人が,ロシア帝国の皇太子ニコライだたことを知ったのだ。さらに,このニコライとは,のちにロシア帝国最後の皇帝であるニコライ二世になることも分かった。日露戦争当時の皇帝でもあるらしい。 「あれっ,確かオレの本棚にあったよな。この人の本。」  本書は,ニコライが残した日記とその周辺の話題を元に,大津事件からロシア帝国が滅んでいくまでの様子を描いている。引用されているニコライの日記を読むと,大津事件に対して日本を憎んでいるようにはみえない。むしろ,日本での旅行を楽しんでいた様子が窺える。さらに,政治が上手くいかずだんだんと革命の炎が迫ってきているにもかかわらず,日記は極めて冷静で,あまり心配している様子も感じられないのだ。これって,いったい何でなんだろう。  著者が,1983年9月,モスクワのツガオルで出会った「ニコライ二世の日記」20冊。彼によると,この本に出会えたのは「稀有の名誉だ」った。著者保田は,1ヶ月半にわたってこの資料館に通い,日記を読み,重要部分をノートに写した。それを元に書かれたのが本書だというわけだ。著者の,ドキドキした気持ちが伝わってくるようだ。

Posted byブクログ