本の定価とは の商品レビュー
図書館で借りる 2010/3/28返却 本が高いか安いかの判断は高いか安いかの満足感によるし、読者から受ける無限の勝ちを考えれば、単純に絶対価だけで安いとも高いとも言い切れない。 直接生産費とは文字通り、印刷費(組版代、印刷代、鉛版・紙型代等)、製本費(材料費を含む)、用紙代...
図書館で借りる 2010/3/28返却 本が高いか安いかの判断は高いか安いかの満足感によるし、読者から受ける無限の勝ちを考えれば、単純に絶対価だけで安いとも高いとも言い切れない。 直接生産費とは文字通り、印刷費(組版代、印刷代、鉛版・紙型代等)、製本費(材料費を含む)、用紙代、付属材料費(本文用紙を除いた表紙、扉、カヴァー、函等)、印税額等、直接本の制作に要する諸費用の総額である。さらに厳密にいうならば、編集者の給料、交通・通信費、編集・交際費まで含めるのが適当であるが、単純化のために通常印税どまりとする場合が多い。 重版によって版元はなぜ高い利益率をあげうるのか、その点を明らかにしておこう。それは二つの側面からいえると思う。その一つは、、直接生産費の中で重版では組代が不要になるからであり、とくに頁数の多いものについては、組代の比重が大きければ大きいほど利益率に寄与する分は大きくなるわけだ。 しかしそれ以上に第二の側面、すなわち間接生産費といっている版元の営業費、宣伝・広告費が、初版にくらべて著しく少なくなっていく点が収益率を高める源泉であって、版元にとっての大きな魅力でもある。 本の定価が一般物価に比して安すぎることはたしかであるが、そうかといって取次・小売書店がいうごとく、簡単に定価を上げることがむつかしいのは、結局販売部数が保証されないからである。いたく制度のもとで返品が自由であるというしくみにその原因があるといってもいい。現在でも過剰返品で苦しめられているというのに、さらに定価を上げたら本はもっと売れなくなる、といった不安がたえず版元につきまとうからである。 再販制度とは、正式には再販売価格維持契約制度の略称であり、定価販売と同義である。読者と直結する小売書店においてはじめて効力と意味を持つ制度であって、独占禁止法により法的に保護を受けている。 p44-45 再販制度のメリット・デメリット
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