ルポ空海 の商品レビュー
中途半端にしたままこの本から長く離れていたが、時が満ちたのか手にしてみると一気に読めた。 仏教は顕教と密教という二つに大きくジャンル分けできるという。そもそも変幻自在な仏教のスタイルから素晴らしいラインナップで宗派が分かれてるが、それはほとんど顕教だという。天台宗、臨済宗、浄土宗...
中途半端にしたままこの本から長く離れていたが、時が満ちたのか手にしてみると一気に読めた。 仏教は顕教と密教という二つに大きくジャンル分けできるという。そもそも変幻自在な仏教のスタイルから素晴らしいラインナップで宗派が分かれてるが、それはほとんど顕教だという。天台宗、臨済宗、浄土宗、曹洞宗…といろんな宗派はそもそも顕教で、密教は真言宗だけということだ。空海が1200年前に唐の長安に留学していた時に、相伝された密教を日本に持ち帰り、高野山に真言宗を開き、それがいまも密教文化を受け継ぐ総本山なって残っている。 たまたま遣唐使の船に運良く乗り込むことが出来た私度僧だった空海が、正当な密教の後継者八祖として認められたというのだから、不思議なもので全ては天の思し召しというのだろうか。 一方一緒に遣唐使として船に乗っていた最澄さんが日本に持ち帰り天台宗の開祖となり、のちの枝分かれする様々な顕教の源流となったという。自分なりに解釈すると、言葉にするとなかなか伝わらないものなのだから、見て感じて即身成仏という直感型の人に向いてるのが密教だと思う。一方ほとんど万人に説明して分かりやすく納得してもらいましょうというのが顕教という感じ…かな。 1200年前の中国と日本の交流、そしてユーラシア大陸には既に様々な宗教や文化が花開いていて、その頃の風に吹かれた感じがして少しタイムスリップしたような気分になれた。
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