1,800円以上の注文で送料無料

闘牛 の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/01/28

借りたもの。 イギリス人著者が、異文化であるスペインの闘牛を調べ、その魅力を分析した本。 闘牛を肯定的に表現している。 闘牛は感情に拠る所が大きいかもしれないが、この本はそれを可能な限り言葉で伝えてくれる。 現代の闘牛の進行(演技の流れ、手順の解説)、会場の雰囲気や何故、スペイン...

借りたもの。 イギリス人著者が、異文化であるスペインの闘牛を調べ、その魅力を分析した本。 闘牛を肯定的に表現している。 闘牛は感情に拠る所が大きいかもしれないが、この本はそれを可能な限り言葉で伝えてくれる。 現代の闘牛の進行(演技の流れ、手順の解説)、会場の雰囲気や何故、スペイン(アンダルシア)の人々はそうするのか、その心情まで解説がある。 闘牛の歴史、闘牛で使われる牛について、マタドール達が求め・求められる価値観や生き様に、リアルな生活(時代毎に変化しているが)についても言及している。 田舎と都市、自然と人間の文化という、対立関係を繋いでいる存在として闘牛があることを指摘している点が斬新だった。 ただの屠殺ではなく儀礼を、様式美だけでなく感情を、自然に対して人間である主張を、(女性を無視されるのは癪だが)男性的であること―― 明言はされていないが、闘牛には人間賛歌であると同時に自然を支配せんとする人間の傲慢も垣間見る。 スペインもやはり男性優位の社会であることは否めないので、やれ男らしくないだの、睾丸があるべきだの、そういう考えが根強い事が伺える。女闘牛士についての言及では、女性差別意識について仄めかしている――「闘牛士らしくない」という言葉で。(では女闘牛士の魅力は何なのか、伝わってこなかった)

Posted byブクログ