恋文物語 の商品レビュー
ちょっと古い本ですが、お掃除をしていたら目に付いたので。 尼僧マリアンナ・アルコフォラド、魯迅、アントン・ブルックナー、……、 「現存・実際の恋文」を採録したものか、と思いきや、娼婦コレット、ロシアの地主オブローモフ、ギリシアの遊女タイス……? でもやっぱり鉄血宰相ビスマルク...
ちょっと古い本ですが、お掃除をしていたら目に付いたので。 尼僧マリアンナ・アルコフォラド、魯迅、アントン・ブルックナー、……、 「現存・実際の恋文」を採録したものか、と思いきや、娼婦コレット、ロシアの地主オブローモフ、ギリシアの遊女タイス……? でもやっぱり鉄血宰相ビスマルクもあればニコライ・ゴーゴリも! つまり、虚実取り混ぜた恋文物語です。 恋文も全文引用(?)されるのではなく、なにはともあれ著者の「ラブレターをめぐる二十の物語」。 わが身を顧みるに……、恋文を書かなくなってから幾年だろう、いや、そもそも私は恋文と言えるものを書いたことがあるのだろうか、あるいはまた、私から出る言葉がすべて「あなた」への恋文でもあろうか。 …そんな大仰なことも考えたりしました。 装幀・安野光雅。 「ちくま文庫」として出ているものも、基本は同じものかな。 虚実取り混ぜて、虚実いずれもが、まっこと見事な恋文談義、著者お見事!
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