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聞き書き花岡事件 の商品レビュー

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2014/02/09

最近は都合のいい歴史ばかり強調する向きが多い。その一方で、日本にとって都合のいいように歴史は忘れ去られる。花岡事件に関するこの本も、絶版。売れないんだろうな。。。 太平洋戦争末期に中国から徴発されてきた中国人労働者たちの聞き書き。多くの部分で、使われたものと使ったもので主張が食...

最近は都合のいい歴史ばかり強調する向きが多い。その一方で、日本にとって都合のいいように歴史は忘れ去られる。花岡事件に関するこの本も、絶版。売れないんだろうな。。。 太平洋戦争末期に中国から徴発されてきた中国人労働者たちの聞き書き。多くの部分で、使われたものと使ったもので主張が食い違う。どちらかが一方的に正しいというものでもないのだろうが、食い違いがあることに対して日本はそれを究明する姿勢を少しも見せなかった以上、どちらの発言に妥当性があるか、ある程度はわかると思う。 『地の底の笑い話』でも触れられていたが、『下罪人』と蔑まれ最底辺の生活を強いられていた炭坑労働者のさらに下にいるのが朝鮮や中国から連れてこられた労働者たちである。秋田県大館の花岡鉱山もその例に漏れず、過酷どころではなく『もの』以下の扱いを受けていた中国人労働者。そして、その背景にある経営者、使役者側の私利私欲。こういう事件と正面から向き合うことなく、たとえば靖国神社参拝の是非を論じること自体が無意味であろう。。。

Posted byブクログ