春の雪 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
三島由紀夫の名作。何度か映画化や舞台化もしている。大正時代を舞台に華族の令息、清顕と美貌の伯爵令嬢聡子の物語。よく紹介文では「悲恋」と描かれているが、2人は決して無理矢理引き裂かれたわけではない。聡子は確かに清顕を愛していたのだろうが、清顕は優柔不断で、挑発するような手紙を送ったと思えば焼却を頼んだり、思わせぶりな行動で聡子と逢瀬をしたと思えば宮家との縁談が持ち上がった時には「関係ないから」と一蹴して、勅許が降りた途端に関係を持ったりと清顕は聡子だけではなく周囲も顧みる事なく弄んでいるだけだと思う。三島由紀夫のような思想で清顕を描いたのは、一種の時代への反発だったのかもしれない。流麗で美しい文章はまさに日本文学の最高峰だと思う。
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文章表現が非常に美しい。 屈折した美しい主人公の青年。 感情移入できるキャラクターはいなかったが、全てがあっという間に破滅へ向かい、物語の終盤はあっけなく訪れた。 屈折した狂気は美しいが、儚く脆いものとなり、跡形もなく消える。 また心に砂が滴ってきた、、、 春の雪という...
文章表現が非常に美しい。 屈折した美しい主人公の青年。 感情移入できるキャラクターはいなかったが、全てがあっという間に破滅へ向かい、物語の終盤はあっけなく訪れた。 屈折した狂気は美しいが、儚く脆いものとなり、跡形もなく消える。 また心に砂が滴ってきた、、、 春の雪という題名がまた意味深い。
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清顕の耽美さ、内にあるあまりにも屈折した愛、一気に読みました。蓼科の行動の理由には驚いた。舞台で観るのが楽しみです。
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古い読書記録より。 映画に触発されて。 超美青年と宮家のフィアンセとなった憧れのひととの、短く激しいおうせ。羅を幾重にもくりたたねたような、緻密で繊細な描写の連続に、王朝文学のようないんびな華やかさをみた。壮麗な日本画を見ているような、贅沢で芳醇なきもちにさせられた。
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傑作。正直豊饒の海はこれ以外つまらない。がこれはほんとうによいうちが三島由紀夫にはまるきっかけとなった作品。
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三島文学の最高傑作、豊饒の海四部作の一冊目。とにかく美しい文章。情景描写の美しさは特筆すべき点。叶わぬ恋と激しい情熱。脆く儚い春の雪。
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美しい情景とともに終焉に向かっていく若い2人の恋愛の美しさが、三島由紀夫らしいと思った。清顕の気高くも脆く儚くそして暗い心情に、結末まで一気に引き込まれた。
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三島の「豊饒の海」シリーズ。私の青春の書です。 春の雪と叶わぬ恋と遅かった情熱。 三島の美しさへの強烈な欲望がうかがえる。
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