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サルはなぜ群れるのか の商品レビュー

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2015/09/24

今西錦司に始まる日本の霊長類学は、生態学的な観点からサルの社会構造の解明をおこなってきました。その成果は、専門家だけでなく一般の人びとにも広く知られるようになりましたが、同時に、一般の人びとはサルの社会的な振舞いを擬人化して理解し、専門家の間でも社会構造を種に固有のものとみなすよ...

今西錦司に始まる日本の霊長類学は、生態学的な観点からサルの社会構造の解明をおこなってきました。その成果は、専門家だけでなく一般の人びとにも広く知られるようになりましたが、同時に、一般の人びとはサルの社会的な振舞いを擬人化して理解し、専門家の間でも社会構造を種に固有のものとみなすような、ある意味で本質主義的な見方が広まっていきました。 著者は、サルの社会構造に関するこうした本質主義的な理解を棚上げし、もう一度生態学的条件に立ち戻って、サルの社会的な振舞いを説明しています。本書ではとくにニホンザルを取り上げ、食物資源や異性を獲得し子孫を残す可能性といった生態学的条件に基づいて、社会構造が規定されているという見方が示されています。 今西錦司の薫陶を強く受けた伊谷純一郎や河合雅雄らの世代から、京都大学のサル学をさらに一歩前進させた著者の業績が、分かりやすく述べられており、おもしろく読みました。

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2013/07/18

(1997.06.14読了)(1990.03.24購入) 霊長類社会のダイナミクス (「BOOK」データベースより)amazon ボスに統率されたニホンザルの群れは人間社会にとっても大変示唆するところの多い社会構造と考えられてきた。しかし雌や食物の確保をめぐる厳しい優劣関係と競争...

(1997.06.14読了)(1990.03.24購入) 霊長類社会のダイナミクス (「BOOK」データベースより)amazon ボスに統率されたニホンザルの群れは人間社会にとっても大変示唆するところの多い社会構造と考えられてきた。しかし雌や食物の確保をめぐる厳しい優劣関係と競争原理を伴うサル社会は、本当にすばらしいあり方をしているのだろうか。一人でぬけ出すわけにはいかない人間社会ならいざ知らず、なぜ弱いサルは強いサルに抑圧されながらも一緒にいつづけるのか。この根本的な問題を解きほぐしつつ、霊長類の社会構造の見直しを試みる。 ☆関連図書(既読) 「野生チンパンジーの社会」杉山幸丸著、講談社現代新書、1981.01.20

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2009/10/04

ボスとかリーダーと呼ばれるオスザルを中心に群れはまわっているように思われていて、私もそう思っていたのですが、違うんですね。むしろメスが中心になって、オスは(ボスも)群れを離れることが多いみたいで、これではボスとは言えませんね。・・・というようなことが書いてあります。ちょっと古い本...

ボスとかリーダーと呼ばれるオスザルを中心に群れはまわっているように思われていて、私もそう思っていたのですが、違うんですね。むしろメスが中心になって、オスは(ボスも)群れを離れることが多いみたいで、これではボスとは言えませんね。・・・というようなことが書いてあります。ちょっと古い本ですが、今でも十分に読めると思います。

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