本の五千年史 の商品レビュー
図書館より。 本の文化史ということですが、文字の起源からはじまりパピルス紙などの初期の書物、印刷術の伝播など本の歴史を中国大陸やヨーロッパといった海外の視点と 写経から始まった本の歴史をたどっていく日本の視点と、国内外の書物の歴史を一冊で辿れるようになっていたのが良かったで...
図書館より。 本の文化史ということですが、文字の起源からはじまりパピルス紙などの初期の書物、印刷術の伝播など本の歴史を中国大陸やヨーロッパといった海外の視点と 写経から始まった本の歴史をたどっていく日本の視点と、国内外の書物の歴史を一冊で辿れるようになっていたのが良かったです。 古代から中世、日本の場合は明治までの書物の歴史は丁寧にたどられていて良かったのですが、大正以降の日本の書物の歴史の紹介が単にベストセラーとなった作品を紹介しているだけだったように思ったのがちょっと不満でした。 それ以前の本の歴史を大まかにつかむ分にはいい本だと思います。
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2013 8/20 序章~5章までパワー・ブラウジング。司書課程資料室の本。 図書・図書館史授業用。愛書家による本についての本。 面白い記述・逸話が多くてネタの宝庫である一方、引用文献が全然明示されないのでソースとしては著しく弱い、エッセイ的なもの。 「~という逸話もある」とい...
2013 8/20 序章~5章までパワー・ブラウジング。司書課程資料室の本。 図書・図書館史授業用。愛書家による本についての本。 面白い記述・逸話が多くてネタの宝庫である一方、引用文献が全然明示されないのでソースとしては著しく弱い、エッセイ的なもの。 「~という逸話もある」という話のネタには使えそう、「ただし真偽は定かではない」みたいな。 以下、気になった点のメモ。 序章p.10~11 本が貴重品だった時代のエピソード 1章 p.15にキープの他にはあまりない絵。1つの枝に複数の縄? 2章 p.38~・・・パピルスの詳細。え、パピルスって食えるの? ・p.39 volume=ラテン語の「巻く」volumenから ・p.40 使われていたインクについての話・・・これどうしよっかな? ・p.43 パピルスはBC7世紀にギリシャ、BC3世紀にローマに伝わり、11C半ばまでヴァチカンでは使われていた? ⇒・1022年のパピルス巻物が存在 ・p.43・・・パピルスは書写材料としては優秀だが腐りやすい ⇒・それでも4000年使われ続けたすぐれもの ⇒・乾燥していたエジプトではけっこうもっている ・p.44・・・パーチメントとヴェラム・・・丈夫だけど高い ・p.46・・・蠟板 ・p.48~49・・・bookやlibraryの語源は樹皮 4章 p.53 ファラオが生涯に使ったパピルスの総量以上の紙を現代人は1日で使う? ・p.53 トマス・E・カーターの言葉 ・p.54 蔡倫・・・紙の発明者、というよりは改良者で完成者? ・p.55~ 紙の西進について ・p.58 751年タラス河畔の戦い⇒サマルカンド紙 ⇒・9~11世紀にはエジプトすら紙に ⇒・ムスリムのヨーロッパ侵入に伴いスペインに ⇒・十字軍によりキリスト教国に持ち帰られる ・中国⇒ヨーロッパに伝わるまでに1000年を要する ・羊皮紙もそこそこいいもの ・ヨーロッパは暗黒時代で需要がなかった?(読者人口) ←really? ・印刷革命との関係性・並行性 ・p.67 ギリシア時代当時の写本製法・・・奴隷使用 ⇒・比較的安価に文学作品を入手可能? ・p.68 アレクサンドリア・・・やはり庶民にまでは読書文化は広がらない? ・p.68 セネカによる蔵書家批判?
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文字の始まりから紙の誕生、印刷技術の発明や伝播など、本の歴史を概観することができた。 今当たり前のように読むことのできている「本」をもたらしてくれた先人たちに強い感謝と尊敬の念を覚えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館に行こうの参考文献で掲載しています。 人間の歴史の多くが、書籍に残っているものが中心になっていることからすると、 逆に5000年の歴史を書籍についてだけ辿るのでも、いろいろな道筋がありそうです。 図書館に所蔵しているところがあれば、一度見てみるとよいかもしれません。
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