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法の精神(上) の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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三権分立論で知られて…

三権分立論で知られている著作ですが,広く世界史に例をとって,かつて存在した様々な政体を比較,分析しています.そのため歴史書としても興味深い作品です.

文庫OFF

2024/08/14

酷暑ビブリオバトル2024 第2試合 3ゲーム目で紹介された本です。チャンプ本。ハイブリッド開催。 2024.8.12

Posted byブクログ

2023/12/29

本書は三権分立を説いた古典として有名だが、「法の精神」というタイトルから想像されるほどには、法についての理論的考察に重きが置かれているわけではない。法とは「事物の本性に由来する必然的な諸関係である」とされ、実定法に先立つ自然法の存在が承認されるが、ここでの事物の本性とは固有の風土...

本書は三権分立を説いた古典として有名だが、「法の精神」というタイトルから想像されるほどには、法についての理論的考察に重きが置かれているわけではない。法とは「事物の本性に由来する必然的な諸関係である」とされ、実定法に先立つ自然法の存在が承認されるが、ここでの事物の本性とは固有の風土と歴史を持った社会の本性であり、凡ゆる社会に妥当する超歴史的・普遍的なものではない。したがって社会が確立する以前の自然状態から社会契約を導出するホッブズ的なアプローチはとらない。社会契約は既に社会の存在を前提しており論理矛盾だという。方法論としては個人より社会を実在とみるデュルケムに代表されるフランス社会学の源流の一つと言ってよく、実在する多様な社会を経験科学的に捉えようとする。古今東西の歴史を渉猟し、自然的諸条件と習俗や政体の関係を論じた「歴史社会学」の先駆である。 専制への防波堤として提唱される三権分立もイギリスの立憲体制がモデルになってはいるが、念頭に置かれているのはあくまで歴史的個体としてのフランス社会である。モンテスキューが重視するのは絶対王政の恣意を牽制する社会的勢力としての貴族の存在意義であり、とりわけ彼自身が属する法服貴族の地位の擁護が意図されている。ロックの権力分立論が執行権に対する立法権の優位を主眼とするのに対し、モンテスキューの独自性は執行権と立法権からの司法権の分離にある。彼は王権であれ人民であれ、それが抑制されない権力を握ることに反対したのであり、両者の和合による中間団体の諸特権の剥奪が中央集権の強化と自由の圧殺を招くことを警戒した。モンテスキューのこの問題意識は後にトクヴィルに強い啓示を与え、それが『 アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫) 』に結実したことはよく知られている。

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2023/10/21

絶対王政の中、啓蒙専制に期待する向きもあるが、別の方法で権力の制限を考えたい。いろいろやり方がある。▼共和政。人民の全体または一部が主権をもつ。民主政と貴族政に分かれる。民主政では自分の利益よりも公共の利益を重んずる徳(自己犠牲・公共の精神・祖国愛)が大切(その発露が戦争・征服に...

絶対王政の中、啓蒙専制に期待する向きもあるが、別の方法で権力の制限を考えたい。いろいろやり方がある。▼共和政。人民の全体または一部が主権をもつ。民主政と貴族政に分かれる。民主政では自分の利益よりも公共の利益を重んずる徳(自己犠牲・公共の精神・祖国愛)が大切(その発露が戦争・征服になる場合も)。貴族政は貴族内での節度が大切。▼専政。一人の君主が権力を独占。君主の気まぐれ政治。抑制できるのは宗教と慣習のみ。常に臣下を威嚇し、恐怖を植え付けることが大切。中国、中東。▼王政・君主政。王がすべての権力の源泉だが、王の権力は貴族によって抑制される。他者への優越・高貴さ・名誉が大切。英。権力を3つに分けてバランス。王(執行権)、議会(立法権、王の執行権を監視)、陪審制(裁判権)。英で権力のバランス調整をしているのは貴族。貴族の存在(身分制)が三権分立を支えている。▼法は民族の歴史的経験の上に生まれる(cf.エドマンド・バーク)。法は伝統・文化・宗教・慣習の影響を受けて形作られる。法は国や地域によって異なる。モンテスキュー『法の精神』1748 『ローマ人盛衰原因論』

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2020/09/28

岩波であるが大判の本である。日本の専制政治の恐ろしさも書いてあった。あらゆる場合についての説明がある。

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2015/04/24

オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレスは次の通りです。 http://books-officehiguchi.com/archives/4308325.html 「中学の社会で、多くの人がモンテスキューの著書『法の精神』を耳にしたと思う。『法の精神』で三権分立を...

オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレスは次の通りです。 http://books-officehiguchi.com/archives/4308325.html 「中学の社会で、多くの人がモンテスキューの著書『法の精神』を耳にしたと思う。『法の精神』で三権分立を主張したことでも知られている。文庫本ではあるが、大学入試レベルの世界史の知識がないと、初学者にとって難しいと感じるかもしれない。今後、この本のなかから気になる箇所を引用する形で配信したい。 」

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2014/11/14

モンテスキューの名著の全訳全三分冊のうち、政体論を中心とした部分。モンテスキューは政体を共和政、君主政、専制に区別し、その各々がどのような「本性」と「原理」を持ち、軍事や裁判、租税などなどの局面で政体の違いに応じてどのような制度の違いが現れるかを、驚くべき博識でもって論じている。...

モンテスキューの名著の全訳全三分冊のうち、政体論を中心とした部分。モンテスキューは政体を共和政、君主政、専制に区別し、その各々がどのような「本性」と「原理」を持ち、軍事や裁判、租税などなどの局面で政体の違いに応じてどのような制度の違いが現れるかを、驚くべき博識でもって論じている。基本的には第11編の「イギリスの国制について」が三権分立論の古典的モデルとしてよく参照されるが、政体論を通じたアジアとヨーロッパの比較、アジアの諸国を基本的に専制国家としつつも、租税については一定の評価を加えているあたり、この書物の奥行きの深さを感じさせる。

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2012/05/29

不朽の古典。 上巻では、政体が共和政(民主政・貴族政)、君主政、専制政体に分けられることを示し、それぞれの政体が動く原理がそれぞれ徳、名誉、恐怖であることを示す。 また、政体では三権分立が示される。 この巻の最後では税制が論じられる。 いずれも主にローマ時代の引用をもとに論証し...

不朽の古典。 上巻では、政体が共和政(民主政・貴族政)、君主政、専制政体に分けられることを示し、それぞれの政体が動く原理がそれぞれ徳、名誉、恐怖であることを示す。 また、政体では三権分立が示される。 この巻の最後では税制が論じられる。 いずれも主にローマ時代の引用をもとに論証している。 そして、この著作の発想はよくも悪くも日本も含め今日多くの民主政体や政治言語の礎となっている。政治や社会、歴史などを学ぶ者にとっては必読の一書であろう。

Posted byブクログ