変身願望 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
二回目の読了。大学の図書館で借りた。人間の原始的な自己保存の本能から生じえる外界との区切りやそれによって生まれる仮面。仮面とホンネの部分である本当の自分との境界線を失うことによって病的・また変身願望へとなりえる。ユングの唱えた仮面(ペルソナ)や、心理学的方面から考察され、人間の仮面と素顔に迫る。 仮面を纏うことは本質的な自己防衛であり、また自己表現でもある。それはファッションや化粧もさることながら、仮装や生きていくための変化と不覚かかわっている。そういった「メタモルフォーゼ」は対外的でありながら、一方でどこまでも本質の自身に忠実だ。 どこか面白味と滑稽さのある「変身」がどうやって人間の本質に関わるのか理解することに役立つだろう。けれど、こういう本を読んでいる間、事例に自分をあてはめて病的に思えて気を病んでしまうことは不思議だ。
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