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ハングルへの旅 の商品レビュー

4.5

24件のお客様レビュー

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2024/08/23

はしまりが半分だ。 『やろうと思った時、すでに事の半分かたは達成したようなものだ』 背中を押してもらえるような、いい諺だなぁと思った。韓国の諺である。 浅川巧と尹東柱の章が心に残った。

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2024/05/31

図書館でこんなにも年季の入った本を借りたのは学生ぶりかもしれない。 茨木さんの視点から、ハングルや韓国の魅力を改めて感じられた。特に行きずりの人たちとの交流が面白く、一人一人に丁寧に接する茨木さんの姿勢も素敵。 もしタイムスリップして誰か一人に会えるとすれば、私は茨木さんと話をし...

図書館でこんなにも年季の入った本を借りたのは学生ぶりかもしれない。 茨木さんの視点から、ハングルや韓国の魅力を改めて感じられた。特に行きずりの人たちとの交流が面白く、一人一人に丁寧に接する茨木さんの姿勢も素敵。 もしタイムスリップして誰か一人に会えるとすれば、私は茨木さんと話をしてみたい。それが叶わない今、本を通して彼女の感性に触れられることを幸せに思う。 この本は必ず手元に置いておきたい。

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2023/10/17

これは良い韓国語学習へのすすめ…綺麗な筆致で著者の体験や思いが綴られていてすごく楽しく読めました。いま韓国語の勉強をしようと思ってるわたしには特に最初から最後まで興味深かかったです。 この本が出版されたのはおよそ四十年前。その当時、東京で隣国の言葉を習っていたひとは約百人程度と...

これは良い韓国語学習へのすすめ…綺麗な筆致で著者の体験や思いが綴られていてすごく楽しく読めました。いま韓国語の勉強をしようと思ってるわたしには特に最初から最後まで興味深かかったです。 この本が出版されたのはおよそ四十年前。その当時、東京で隣国の言葉を習っていたひとは約百人程度という数字をはじきだしたことがあるらしい。 『あと十年、二十年たてば、この頃の有様はおかしな昔話となるのかもしれない。そうあってほしい。』40P いまや隣国のカルチャーは世界的なものとなって当時の倍の人間が世界でも日本でも韓国語を習っている。いま現在と数十年前の年月の長さを思いつつ、学ぶことと新しい文化に触れる姿と意欲はずっと褪せず目新しく美しい。ほんとにいい本でした!

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2023/06/17

35年ほど前にかかれた韓国語を学ぶ著者のエッセイ本。 読みやすく、早い人なら1日あれば読み切ってしまうようなテンポの良さがありました。 詩を書く方特有の視点や、韓国の詩をや歴史用いた言語や韓国という国の美しさなどを軽快な語り口で綴られていく著者の愛が、何度も読み返したくなる心地...

35年ほど前にかかれた韓国語を学ぶ著者のエッセイ本。 読みやすく、早い人なら1日あれば読み切ってしまうようなテンポの良さがありました。 詩を書く方特有の視点や、韓国の詩をや歴史用いた言語や韓国という国の美しさなどを軽快な語り口で綴られていく著者の愛が、何度も読み返したくなる心地良さを生み、時間があれば思わず手に取ってしまいます。 私は図書館で借りて読んだのですが、あまりにも気に入ったのでこの本は購入しようと思います。

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2023/03/06

この本、図書館で借りて読んだばかりなのだが、なんと今月、新装版が出るらしい。 著者が「韓国語を習んでいる」というと「また、なんで?」と問われたという1980年代。 今やK-POPや韓国の映画・ドラマに魅せられる人が増え、 それに従って言語への関心も増してきたということが、 30年...

この本、図書館で借りて読んだばかりなのだが、なんと今月、新装版が出るらしい。 著者が「韓国語を習んでいる」というと「また、なんで?」と問われたという1980年代。 今やK-POPや韓国の映画・ドラマに魅せられる人が増え、 それに従って言語への関心も増してきたということが、 30年以上を経ての新装版刊行に結びついただろうか? かく言う私も、遅まきながらハングルを学びはじめた1人。 そのうえで、この本を読むときに注意しなければならないのは、 ここに書かれているのは今から30年以上前の状況だということ。 当時はまだ、韓国でも漢字が使われていた。 著者は「日本とは異なる漢字の読み方を学ぶのが難しい」と書いている。 漢字で書かれていれば、黙読で意味を拾うには役立ちそうだが、 言語を学ぶには邪魔になりそう。 すべてハングルで書かれている今ならば、 そのぶん紛らわしさから逃れられるのではないだろうか。 韓国の旅を振り返るエッセイもすてきだが、 特に心に刺さったのは、柳宗悦を導き、文字通り現地に骨を埋めた浅川巧と 同志社大学に学び、終戦直前に福岡の刑務所で獄死した詩人、尹東柱に触れたくだり。 読書から、さらに遠く深くへ導かれる一冊だった。

Posted byブクログ

2022/07/31

今では考えられないけれど、まだ韓国語を勉強する人が少ない時代に綴られた貴重なエッセイ。 情報が少ない時代でも歴史や語源を噛み砕いてここまで深く勉強することが出来るのかと驚いた。わかってはいても残虐な歴史背景に正直ウッと胸が痛くなるところもあるが、現地での話や日本語との繋がりなども...

今では考えられないけれど、まだ韓国語を勉強する人が少ない時代に綴られた貴重なエッセイ。 情報が少ない時代でも歴史や語源を噛み砕いてここまで深く勉強することが出来るのかと驚いた。わかってはいても残虐な歴史背景に正直ウッと胸が痛くなるところもあるが、現地での話や日本語との繋がりなども面白く、最後まで一気に読んでしまった。著者が今の時代を見たらどう思うのだろうか。

Posted byブクログ

2022/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

詩人茨木のり子さんの韓国語学習遍歴の本。さすがに詩人だけあって言葉に対する感受性が高い。そして日本の古典も読んでいるのだから、日本の古語や古朝鮮語との関係に動かされ、音の響きを鑑賞、会得し、日本語にはないい言い回しに感心しと全身で韓国語に取り組んでいる姿が想像される。 この本の出版後韓流ブームが起き、いまでは韓国語を学習することが珍しくなくなったし、文化交流もずいぶん進んだと思う。そもそも文法や語彙もウラルアルタイ語系列なので日本人にとって勉強しやすい言語の一つであることは間違いなない。庄内弁が韓国語と共通の語彙があることは驚いた。  この本でも韓国の仮名吏読(りとう)があることに触れられているが、日本の漢字仮名交じり文ほどには行き渡らなかったようだ。  やはり書き言葉は圧倒的に漢文であったのだろう。朝鮮民謡選は読んでみたくなった。

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2022/09/19

茨木のり子さんの詩をちゃんと読んだことがないのだけど、(広く愛知という意味で)同郷ということも、こんなに韓国に愛着を持っていらっしゃったということも知らなかった。 50代でハングルを学び始めるエネルギーと、「写真を見たら素敵な人だったからこの人の詩を読みたくなった」なんて告白する...

茨木のり子さんの詩をちゃんと読んだことがないのだけど、(広く愛知という意味で)同郷ということも、こんなに韓国に愛着を持っていらっしゃったということも知らなかった。 50代でハングルを学び始めるエネルギーと、「写真を見たら素敵な人だったからこの人の詩を読みたくなった」なんて告白するお茶目なミーハーさに、すっかり茨木のり子さんが好きになってしまった。 このエッセイを書かれたのは戦争を知っている世代がまだ多かったころ。詩人らしい細やかな感性と言葉遣いで、韓国語を学びながら感じた言葉や文化の面白さだけではなく、韓国を知る中で感じた日韓の過去の歴史の重みも語っていてよかった。 戦後の気配がまだ残っていたこの頃は、隣国に対する罪悪感もさらりと書くことができたのに。当時を知らない世代が増えるにつれてそれを「自虐史観」と言い出す輩が増えてきたことを悲しく思う。

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2022/04/20

 関川夏央『人間晩年図巻』で茨木のり子に関心が湧いた。借りてみる。詩人ならではの切り口でハングル学習、韓国の風物、人情、その他もろもろが語られている。  井沢元彦『崩れゆく韓国』で知ったばかりの崔承喜について詳しく書かれているのはよかった。彼女の舞踊を鑑賞したとはうらやましい。歴...

 関川夏央『人間晩年図巻』で茨木のり子に関心が湧いた。借りてみる。詩人ならではの切り口でハングル学習、韓国の風物、人情、その他もろもろが語られている。  井沢元彦『崩れゆく韓国』で知ったばかりの崔承喜について詳しく書かれているのはよかった。彼女の舞踊を鑑賞したとはうらやましい。歴史的証言と言えよう。

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2022/02/11

2022 02. (ブクログに記録してなかったけど 本当には2022年最初の読了本) 図書館で借りてとっても好きだったので 本も買った *** P19 勧告の女流詩人、洪允淑さんが来日され、会いたいとの連絡を下さったので、銀座でお目にかかったことがある。私とほぼ同世代の方...

2022 02. (ブクログに記録してなかったけど 本当には2022年最初の読了本) 図書館で借りてとっても好きだったので 本も買った *** P19 勧告の女流詩人、洪允淑さんが来日され、会いたいとの連絡を下さったので、銀座でお目にかかったことがある。私とほぼ同世代の方で、日本語がうまく、私の詩も読んでいて下さるのに、こちらからは洪さんの詩が皆目わからないのだった。「日本語がお上手ですね」その流暢さに思わず感嘆の声をあげると、「学生時代はずっと日本語教育されましたもの」ハッとしたが遅く、自分の迂闊さに恥じ入った。日本が朝鮮を植民地化した三十六年間、言葉を抹殺し、日本語教育を強いたことは、頭ではよくわかっていたつもりだが、今、目の前にいる楚々として美しい韓国語のひとと直接結びつかなかったのは、その痛みまで含めて理解できていなかったという証拠だった。洪さんもまた1945年以降、改めてじぶんたちの母国語を学び直した世代である。 P128 秋冷の一日「言葉の祝祭日」とは、なんて粋なんだろう。この地球のどこかに「母国語の日」をつくって祝っている国が、ほかにもあるのだろうか。 P153 まったくファッションの風は、どんなふうに地球を吹き抜けているのかな。 P171 家庭でお客をもてなす時、奥さんは客席に侍りお酌をするということがない。もてなしは、もっぱら主人の仕事である。遊び女と一線を画すということらしい。挨拶をしたり、席で少し話す程度が主婦のたしなみ。 P175 「陶器の食器を使えるというのは平和の証拠です。我が国は貧しくて、その上、戦乱につぐ戦乱で逃げまどうことのほうが多かったのです。そんな時、陶器はかついで逃げられないが、金物なら可能です。」 …それらは私の心に沁み、しみじみと腑に落ちた。改めて我が家の食器棚を眺めてみる。安物ばかりだが、じぶんの好みに合ったもの、すでに三十年、四十年を共にしてきたやきものたち。陶器に食物を盛って暮らしてこられたのは、とにもかくにも平和であった証だったのか…。 P211 画家の李禹煥に伺ったところによると… P227 日本だって敗戦後、木曽山中あたりを境に東と西にまっぷたつ、或る日を以って凍結状態、親子、兄弟、恋人、友人、親戚、わかれわかれ生きているのか死んでいるのか、音信不通で四十年ーそんな事態に立ち至らないでもなかったのだ。ただ運がよかっただけである。 メモ: 尹東柱

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