暮らしの中の太平洋戦争 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
児童文学者が、アジア・太平洋戦争時に発行された新聞・雑誌・ビラ等から、庶民生活の実情を描出したもの。当時の指導者・軍人に対する、戦中派庶民たる著者の怒りが言外から伝わってくる。戦中の衣食の状況、燃料事情、国債購入や郵便貯金の奨励による戦費調達の実情がよくわかるが、かかる生活の足元を見れば、特に日米戦争をいかなる目算で遂行しようとしたのか、見通しの暗さに暗然とする思いである。なお、闇米価格が配給価格の約30倍もあり、当時の小作農の中には多額の現金を得られた者もいたと推認させる事情が見つかったのは収穫だ。
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著者が長年かけて収集した戦前・戦中の民間文書や資料を時系列的に並べ、当時の世相や戦争の情況と対比させながら解説したもので、面白く読める本である。非常に貴重な資料の紹介もあり興味深いのだが、「こういうものがあります。そのときはこんな時代でした」という単なる説明のみで、深い考察がなさ...
著者が長年かけて収集した戦前・戦中の民間文書や資料を時系列的に並べ、当時の世相や戦争の情況と対比させながら解説したもので、面白く読める本である。非常に貴重な資料の紹介もあり興味深いのだが、「こういうものがあります。そのときはこんな時代でした」という単なる説明のみで、深い考察がなされていないのは残念である。また、資料解説に対して著者のイデオロギーが反映されすぎていて、冷静な観点を失っているため、読むに耐えない部分もあった。 かなりのコレクションを保存しているようなので、もう少し中立的な視点を保持しつつ、再びもっと多くの資料紹介を載せて出版されれば有益だと思う。 もちろん、歴史を「物語る」資料を中心に太平洋戦争を描いた、という点では貴重な書籍であるし、こうした普段は見る事のできない戦時文書の写真も収録したのはありがたいことだと思う。
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これを読むと、戦後の日本の変わり方の理由が少しわかる気がする。 -2006年07月13日読了
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