桂離宮 雅びのデザイン の商品レビュー
桂離宮を細分化して写真撮影されているので、その順番通りに観ていくと、あたかも、自分が桂離宮を歩いているかのように感じられる。 のは、二度ほど、桂離宮を歩いたことがあるからだろう。 井上靖さんも書いているとおり、ここは、四季折々、天候別、時間別の美しさがあり、その都度、美しいと思...
桂離宮を細分化して写真撮影されているので、その順番通りに観ていくと、あたかも、自分が桂離宮を歩いているかのように感じられる。 のは、二度ほど、桂離宮を歩いたことがあるからだろう。 井上靖さんも書いているとおり、ここは、四季折々、天候別、時間別の美しさがあり、その都度、美しいと思う場所が違うのだと思う。 『一般に日本の名園なるものが、外国の高名な庭と比べて違うところは、それが作者のものであるということである。誰のものでもない、作者自身のものなのである。作者は誰のために造ったのでもなく、自分自身のために造ったのである。桂離宮の庭園は、そうしたものの最もたるものであろう。私たちは智仁親王のお庭ん歩かして貰ったのである。』(56頁) 智仁親王にとって、このお庭は、完成形ではなく、まだまだ自分にとっての美を追求し続けるお庭だったのではないかと思う。 そんな一人の親王のお心に思いを馳せて、この庭を再び訪れたいと切に思う。
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