真夜中のスポーツライター の商品レビュー
山際淳司さんのエッセイを読むと、 目の前にスポーツのある風景が広がる。 勝利至上主義ではない。 かといって勝利をなしがしろにしない。 それよりも素晴らしいプレイ、 趣あるスポーツシーンを好んで描く。 単なるスポーツ賛歌でもない。 シニカルな視点もある。 スポーツの中に人生を見い出...
山際淳司さんのエッセイを読むと、 目の前にスポーツのある風景が広がる。 勝利至上主義ではない。 かといって勝利をなしがしろにしない。 それよりも素晴らしいプレイ、 趣あるスポーツシーンを好んで描く。 単なるスポーツ賛歌でもない。 シニカルな視点もある。 スポーツの中に人生を見い出す。 けれどスポーツが人生のすべて とは言わない。 ところどころ ハッとさせられる言葉と出会う。 本書の中で一番響いたのはこの言葉。 ひとりの選手が、ゲームのなかで、 いかにして自分でありつづけようとしたか 目まぐるしく変わるゲームのなか、 プレッシャーを受け 難敵を目の前にすると、 たやすく自分は失われる。 平時であればできることが 途端にできなくなる。 人生も同じかもしれない。 逆境や佳境に差し掛かった時に、 自分であり続けられるかどうか。 説教臭くないのがまたいい。 なぜこの人が語ると、 説教に聞こえないのだろうか。 するりと心に入ってくるのだろうか。 球界のご意見番の苦言と、 どこか違っているのだろう。 スマートでありながら泥臭く、 静かけさの内に激しさを秘めた人だ。
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山際淳司の一冊。山際さんの文章の特徴で、読者に自分の考えを人に押し付けるのではなく、その場面をあるがままにわかりやすく描写している。スポーツライターとして山際淳司の視点で描かれた写景は、全てが順接で記されているからか、頭に染み込みやすい。無駄な比喩がなく、独自の取材が活きたストー...
山際淳司の一冊。山際さんの文章の特徴で、読者に自分の考えを人に押し付けるのではなく、その場面をあるがままにわかりやすく描写している。スポーツライターとして山際淳司の視点で描かれた写景は、全てが順接で記されているからか、頭に染み込みやすい。無駄な比喩がなく、独自の取材が活きたストーリーになっている。
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