ポストモダン・フェミニズム の商品レビュー
ウーマン・リブの運動などを中心に、これまでのフェミニズムの足跡をたどりながら、フェミニズムがポストモダニズムへと転換されるべき理由を明らかにしている本です。 女性解放運動は、近代的な自由と平等を求める女性たちの声からはじまりました。しかし、その後のフェミニズムの歴史は、女性を「...
ウーマン・リブの運動などを中心に、これまでのフェミニズムの足跡をたどりながら、フェミニズムがポストモダニズムへと転換されるべき理由を明らかにしている本です。 女性解放運動は、近代的な自由と平等を求める女性たちの声からはじまりました。しかし、その後のフェミニズムの歴史は、女性を「遅れてきた近代主義者」として位置づけることにとどまりませんでした。ウーマン・リブを経たのち、ラディカル・フェミニズムによる「家父長制」の概念の発見は、性に基づく差別がわれわれの文化のうちに広く根を張っていることを明らかにしてきました。そして著者は、主としてセクシュアリティと身体という次元におけるさまざまな差異を根底から批判し、ファロス=ロゴス中心主義を解体することを通じて改めて「女性とは何か」という問題を検討しなければならないと主張します。 こうした観点から著者は、リュス・イリガライやジュリア・クリステヴァらの仕事にも言及しながら、ポストモダン・フェミニズムがとりくむべき課題を明らかにしています。
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