コリン・ウィルソン音楽を語る の商品レビュー
『アウトサイダー」の著者であるコリン・ウィルソンが、「二十年間夢中で音楽を聴いてきた結果の一部を伝えたかった」という動機で書いた著作である。 著者の好みではなく、いかにその作品に作曲家のパーソナリティがあらわれているかという視点で、モーツァルトからジョン・ケージまで、多くの作曲家...
『アウトサイダー」の著者であるコリン・ウィルソンが、「二十年間夢中で音楽を聴いてきた結果の一部を伝えたかった」という動機で書いた著作である。 著者の好みではなく、いかにその作品に作曲家のパーソナリティがあらわれているかという視点で、モーツァルトからジョン・ケージまで、多くの作曲家とその作品について論じられている。 特に、20世紀イギリスの作曲家については、その名前すら聞いたこともない作曲家が数多く紹介されていて、実際どんな作品なのか聴いてみたくなった。 あまりにこき下ろしている作曲家が多いためか、訳者あとがきで、「よほどの根拠がないかぎり、特定の作風なり作品なりを“形式偏重、内容不在”ときめつけるわけにはいくまい」と書かれてのは一興であった。 そんな、ちょっと「勇み足」の音楽批評ということなのであろう。
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