僕は模造人間 の商品レビュー
母胎にいたときからの…
母胎にいたときからの記憶の回想で始まる、かなり毒の含みがある作品。著者の皮肉というか、冗談というか、もしかして大真面目な自己回想録なのか。はてさて。私も貴方も、もしかしたら模造人間なのかもしれない。
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ユーモアを織り交ぜな…
ユーモアを織り交ぜながら、少年の周囲に対する違和感を描く。
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主人公は何かで王子(…
主人公は何かで王子(一番)になりたくていろりろ試みるが・・・。回想と妄想と空虚さが独特に入り混じった話。
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若い頃に読んで衝撃を受けた本。 それから20年経った今読み返してみても、やっぱり圧倒的な本だった。 簡単に「変態」とか「鬱屈」「性的倒錯」などといった言葉では片付けられない深みがあり、読みやすくはあるが決してお手軽な本ではない。でも、その深みの先にある「模造人間」がなんたるかは...
若い頃に読んで衝撃を受けた本。 それから20年経った今読み返してみても、やっぱり圧倒的な本だった。 簡単に「変態」とか「鬱屈」「性的倒錯」などといった言葉では片付けられない深みがあり、読みやすくはあるが決してお手軽な本ではない。でも、その深みの先にある「模造人間」がなんたるかは自分にはよくわからない。 純文学なのか、エンタメなのか。 (芥川賞にノミネートされたから純文学と言ってよいのだろうが) 自分の趣味も気付けば登山になっていて、死と仲良くデートしているのだから恐ろしい
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作者のノッた筆進みが伺える軽薄なユーモアとジュブナイルの変態さ、比喩表現が楽しい。 終盤で作者の内面に触れるような思想小説にシフトチェンジし感覚的な表現が増えたが、テーマも明確で手軽な一冊だった。
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初期作品。新潮文庫は1番だけど、サヨクの方が著作年は早いみたいなので、出版順なのか? 当時25、6歳だから、落ちぶれて達観した変人オナニストの傾向は変わらないけど、島田雅彦特有のおじさん臭くはない。現代版仮面の告白のような。バベルの塔、生首といったモチーフがよく出てきて、突然幻想...
初期作品。新潮文庫は1番だけど、サヨクの方が著作年は早いみたいなので、出版順なのか? 当時25、6歳だから、落ちぶれて達観した変人オナニストの傾向は変わらないけど、島田雅彦特有のおじさん臭くはない。現代版仮面の告白のような。バベルの塔、生首といったモチーフがよく出てきて、突然幻想的で奇怪な表現が始まるので、しかも当然敬語になったりする、現実と夢と自我のパッチワークのような文体。面白くはない。 名前に定められた人間不信になりそうな運命、でも結局一人くんは、上高地の後は凡人のふりを重ねるうちに心身共に凡人になりはてて、数十年後に黒歴史を酒の肴にしてそう、逆に彼岸先生の若かりし頃と重ねられる気もする。 以下引用 僕は恥しさにサンドペーパーをかけるためにジャポン語的あまりにジャポン語的な言葉を呟いた。 「うんち、おちり、ちんちん」 僕が童貞だからなんです。童貞でないふりをすればするほど、童貞らしくなってしまう苛立ちがわかりますか? 童貞は不能でない限り、型通りの恋愛しかできない。既成のパターンを踏むのが性交への最短距離だと信じているからだ。 童貞を捨てる方法は繰り返し雑誌の特集になっている。童貞という性的倒錯を楽しむ方法をくわしく書いたものは見たことがない。
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かなりこじらせている。 昔の自分に当てはまるところも結構あったげと、ここまでではない。 懐かしい気がした。
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32歳の誕生日に合わせて再読。読むのは10年ぶりくらいか? うーん。面白いんだけど、切実な迫り方はしなかったなぁ。それは、自分も歳をとったということだろう。何にせよ人生を茶化すことに一生懸命な主人公のそこはかとない哀しさがいい。旅立つ前の手紙の詩の部分は、やっぱりいいな
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本当の自分なんてあるのだろうか? 「自分探し」なんて言って、何か見つけて帰ってくるのだろうか? 主人公、あくま一人。 生まれながらにして、倒錯した運命を背負った彼の青春の物語。 何だか、人ごととは思えず。 時には自分のことのように思えて、失笑… 笑えるけど、ホントは...
本当の自分なんてあるのだろうか? 「自分探し」なんて言って、何か見つけて帰ってくるのだろうか? 主人公、あくま一人。 生まれながらにして、倒錯した運命を背負った彼の青春の物語。 何だか、人ごととは思えず。 時には自分のことのように思えて、失笑… 笑えるけど、ホントは笑ってられない自分にふと気付く。汗 ミシマを、刀で自慰行為に耽るオナニストと断罪し、 その一方、自分は穂高岳の岸壁に挑戦し、命をかけた自慰行為に耽る有様。 自分を見つめ直すなら、まずこの一冊から。笑
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軽快で毒がある。毒がある人間にドロップキック。でも確固たる自分があるわけじゃない、とうまくまとめられない。 とかく軽快で、自分と反対で面白かった、とだけ。何かの折に読み直すと得るものがあるのかもしれないが、今しか読めなさそうという気もする。ひとまず、童貞への観察力には舌を巻く。
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