W・H氏の肖像 の商品レビュー
情熱の深紅の花は、忘却の雛罌粟の花と同じ草原に咲くようだ。われわれはこうした思い出という重荷を避けようとし、その思い出にたいして鎮痛剤を用いようとする。だがほんの些細な事柄、ぜんぜん重要ではない事柄が、かえっていつまでも心に残っているものなのだ。我々の頭脳はその小さな象牙のたくさ...
情熱の深紅の花は、忘却の雛罌粟の花と同じ草原に咲くようだ。われわれはこうした思い出という重荷を避けようとし、その思い出にたいして鎮痛剤を用いようとする。だがほんの些細な事柄、ぜんぜん重要ではない事柄が、かえっていつまでも心に残っているものなのだ。我々の頭脳はその小さな象牙のたくさんの部屋に、非常に繊細で非常に素早く過ぎてゆく印象をよく留めておくものなのだ。
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『W.H氏とは何者か?』という謎を紐解いて行く、一種のミステリー。 W.H氏とはシェイクスピアのソネットが捧げられた人物のことで、相手が誰かということについては諸説あるようだ。 膨大な訳注があるのでシェイクスピアについて詳しい知識が無くても充分に楽しめる。 一応の結論は出ているが...
『W.H氏とは何者か?』という謎を紐解いて行く、一種のミステリー。 W.H氏とはシェイクスピアのソネットが捧げられた人物のことで、相手が誰かということについては諸説あるようだ。 膨大な訳注があるのでシェイクスピアについて詳しい知識が無くても充分に楽しめる。 一応の結論は出ているが、これが正しいのか間違っているのか、間違っているとしても荒唐無稽過ぎるのかそうでないのかはよく解らないが、こういうのは一種のロマンだよなぁ、と思いつつ読了。
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[ 内容 ] シェイクスピアの『ソネット集』が捧げられたW・H氏をめぐるワイルドの推理は、1部からは「芸術家の気まぐれな空想」と批判されもしたが、ワイルド独自の説の自由な解釈には見るべき所が多い。 気鋭の研究者による解説・訳註も充実。 [ 目次 ] 偽りの肖像 ソネットは語る ...
[ 内容 ] シェイクスピアの『ソネット集』が捧げられたW・H氏をめぐるワイルドの推理は、1部からは「芸術家の気まぐれな空想」と批判されもしたが、ワイルド独自の説の自由な解釈には見るべき所が多い。 気鋭の研究者による解説・訳註も充実。 [ 目次 ] 偽りの肖像 ソネットは語る 少年俳優 友愛の哲学 芸術の意味 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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シェークスピアが14行詩集を捧げたW・H氏の謎を解くというストーリー。シェークスピア研究的にはどうか分かりませんが、小説としてなら面白い。ワイルドの芸術至上主義がここにも表れています。
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ワイルドがシェイクスピアのゾネットについて研究した論文。とは言っても、小説風に書かれているので読みやすいでしょう。 ソネットはW.H氏のために書かれたが、W.H氏の正体は? シェイクスピアの芸術に影響を与えた美少年俳優、W.H氏の存在をめぐる考察は実に興味深い。ワイルドの同...
ワイルドがシェイクスピアのゾネットについて研究した論文。とは言っても、小説風に書かれているので読みやすいでしょう。 ソネットはW.H氏のために書かれたが、W.H氏の正体は? シェイクスピアの芸術に影響を与えた美少年俳優、W.H氏の存在をめぐる考察は実に興味深い。ワイルドの同性愛観を読み取ることができ、彼を研究する上でも欠かすことの出来ない書だ。 他に岩波版、河出書房全集版などもあり。
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