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藤原佐理 の商品レビュー

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2013/10/19

三蹟の一人である藤原佐理の伝記。 佐理の身に起こったいくつかの出来事と、 佐理と近親者の官位叙任などが時系列にまとめられている。 そもそも佐理について盛りだくさんにまとめるほど量がないのかなと感じた。 筆者が、佐理の人物像を語るのが面白かった。 この筆者いわく、佐理は手書きと...

三蹟の一人である藤原佐理の伝記。 佐理の身に起こったいくつかの出来事と、 佐理と近親者の官位叙任などが時系列にまとめられている。 そもそも佐理について盛りだくさんにまとめるほど量がないのかなと感じた。 筆者が、佐理の人物像を語るのが面白かった。 この筆者いわく、佐理は手書きとしては非常にすぐれているが、 どこか欠けたところのある人ということである。 P93 「佐理は、わがままで、放縦で、非常識で、怠慢であるといっても、 いつもいつもそうであったのではない。」 P97 「佐理はやはり権力の座から遠く離れたところにいた。 そして、いつまでもうだつが上がらなかった。」 P139 「「如泥人」というのは「だらしのない人」である。 そして、思慮の乏しい人である。決して賢明な人ではない。 しかし、佐理は善良な人であった。」 関白道隆の東三条院の障子の色紙形を書くに際しても、 人が参集する前に書けば良いところを遅刻してやってきて書いたり、 佐理の残した消息はだいたい詫びたり弁解したりしているところからも、 藤原佐理という人はなんだか憎めない感じのする人である。 「佐理の書跡・書風」という章が最後にある。これが興味深かった。 書の良し悪しはよくわからないけど、 他にも芸術の面から考えたものがあれば読んでみたい。

Posted byブクログ