明治東京名所図会 の商品レビュー

山本松谷【画】

2024/04/08

講談社
山本松谷　明治東京名所図会

明治30年代の東京を描いた画集。関東大震災前の江戸と洋風が混じり合った東京の風景。川が生活の中心であり、寺社が精神の中心といったところ

中央区京橋区を中心に読んだ

銀座地蔵前縁日を描いた絵の中に三原橋と三十間堀川がある。大都市は昔から華やか

歌舞伎座を描いた絵にある川も三十間堀川か？洋風建築風の歌舞伎座はひときわ目立つ。関東大震災や東京大空襲において消失しただけあって復興の象徴といったところ

旧京橋を描いた絵は、橋の上で繰り広げられる風景が多彩。犯人を連れている警察官、客を乗せる鉄道馬車、荷物を運ぶ大八車。川は京橋川？

吉原大火前の吉原各楼を描いた絵は想像以上に洋風で壮大な建築群。娼　妓解放令後なのに、賑わっている様子が伝わる

京橋区の石川島造船所を描いた絵のセンターに 大型鉄船 明治丸がある。築地にある海軍施設と関係あり？

月島の夜景には、海上の小島と月が描かれている。まさしく月島。木造の相生橋は華奢。石川島造船所の洋風大型船と停泊している和風の高瀬船が対照的

永代橋東詰で描かれた永代橋は、雪が降り積もっても びくともしない鉄骨で、多くの人々が行き交っている