消えた娘 の商品レビュー
女癖の悪い夫に愛想を尽かして、娘を連れて逃げ出した道中、車の修理に立ち寄った田舎町で、その一人娘が忽然と姿を消してしまい、途方に暮れる母親。 そしてそれから、アイスクリームを買いにいく娘を最後に見送ったベンチで、何日も、何週間も、何ヶ月も、そして何年もただただ待ち続ける。 ただそ...
女癖の悪い夫に愛想を尽かして、娘を連れて逃げ出した道中、車の修理に立ち寄った田舎町で、その一人娘が忽然と姿を消してしまい、途方に暮れる母親。 そしてそれから、アイスクリームを買いにいく娘を最後に見送ったベンチで、何日も、何週間も、何ヶ月も、そして何年もただただ待ち続ける。 ただそれだけの話。 登場人物も少なく、特徴の無い田舎町が舞台なので、話に抑揚もなく、頭に浮かぶ映像的にも変化もないシンプルな設定だが、単調にならず、またダークになりすぎない絶妙な塩梅のサスペンス具合が、読み手を引き込んでいく、なんとも不思議な作品。 決してハッピーではなく、サスペンスならではのカタルシスもないのに、なんともいえないスッキリとした読後感はなんなのだろうか?
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◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第十三回 ・・・ 第十三回 「消えた娘(新潮文庫) 」 ・・・ これは長さ的には中編ですが、見ようによってはとても重い作品です。 ある中流白人女性が離婚します。 で、娘をつれて実家に車で帰る途中、アイスクリームを買いに寄った店から娘が帰ってこな...
◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第十三回 ・・・ 第十三回 「消えた娘(新潮文庫) 」 ・・・ これは長さ的には中編ですが、見ようによってはとても重い作品です。 ある中流白人女性が離婚します。 で、娘をつれて実家に車で帰る途中、アイスクリームを買いに寄った店から娘が帰ってこない……。 そうすると、彼女はその店の前のベンチに座ったまま居座るのです、30年間も……! 実家に帰ったところでやることはない……。 娘が買ってきた自分の気に入らない服を勝手に破いて捨てて、ふんわり乙女チックな可愛らしいワンピースを無理やり着せるようなことをする彼女は、あちこち八方ふさがりなのです。 そのあんたのバカさ加減が娘を追い詰めたんだよ、ということは簡単ですが、では、彼女自身はそのあとどう生きればいいのか……。 まあ、その意固地さ、とか、タフさって、アメリカ人だよなぁ、と思いますが、こういう話が書かれていたんです、1980年代って。 娘がなぜ消えたのか、どうなったのかは最後に明かされますが、読み手によって(誰に感情移入するかによって)印象も評価も変わるだろうと思います。 2018年05月01日
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目の前から消えた娘を長い間待ち続ける話であるが、後半になるとその理由がわかる。そして、美しくて清純と思っていた娘に意外な面があることがわかる。そして、待ち続けている母親は、時間が経ってから、今では娘のことはどうでもいいと思ってくる。
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目の前で消えてしまった娘を待ち続けた母親の話。 300ページ弱。 本当にそれだけ。 何か事件が起こるわけでもないし、衝撃の真相があるわけでもない。 ただただ娘を待ち続ける母親と、移ろう町の人々の姿が描かれるのみ。 それだけで物語になってしまうんだからすごいよなあ。 ただひたすら...
目の前で消えてしまった娘を待ち続けた母親の話。 300ページ弱。 本当にそれだけ。 何か事件が起こるわけでもないし、衝撃の真相があるわけでもない。 ただただ娘を待ち続ける母親と、移ろう町の人々の姿が描かれるのみ。 それだけで物語になってしまうんだからすごいよなあ。 ただひたすら地味だけど、地味ゆえに味わいのある作品。
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母親の目の前で忽然と消えてしまった18歳の娘。その帰りを待ち続ける母親が主人公。 これだけ書くと何だか探偵役が登場し、颯爽と謎を解きそうに思える。だが実際のところ、ただただ待ち続ける母親を描いたもので、ミステリ的なカタルシスはまるでない。それなのにこれだけ読ませるのはすごい。 読...
母親の目の前で忽然と消えてしまった18歳の娘。その帰りを待ち続ける母親が主人公。 これだけ書くと何だか探偵役が登場し、颯爽と謎を解きそうに思える。だが実際のところ、ただただ待ち続ける母親を描いたもので、ミステリ的なカタルシスはまるでない。それなのにこれだけ読ませるのはすごい。 読んでいて「春にして君を離れ」を思い出した。「春にして~」のジョーンのように延々内面の旅が続くわけではないが、何となく手触りが似ている。 いなくなった誰かを諦めることは難しい。そして「待つ」ことが常態になった時、それを改めるのはもっと難しい。 でも彼女の過ごした時間の意味や目的はそれだけではないだろう。 また時間をおいて読み直したい。
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1940年代のある日、夫の元から逃げ出し姉のところに行く途中で姿を消した娘を待ち続ける母親の話。ストーリーを言えばそれだけだ。ただ待ち続けている、と。が、その頑固さは半端じゃない。ゆえに、周囲を巻き込みドラマが生まれる。 きっと、家出をするまでの環境で生じていた歪みが、この不...
1940年代のある日、夫の元から逃げ出し姉のところに行く途中で姿を消した娘を待ち続ける母親の話。ストーリーを言えばそれだけだ。ただ待ち続けている、と。が、その頑固さは半端じゃない。ゆえに、周囲を巻き込みドラマが生まれる。 きっと、家出をするまでの環境で生じていた歪みが、この不幸(と呼んでさしつかえないだろう)の原因だったのだろう。だからこそ、最後の一言は重い。が、そこに到達するまでの時間に意味があったのだろうかと、私は思う。
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