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唯物史観と国家論 の商品レビュー

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2011/05/20
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内容が濃く、唯物史観が何たるかを徹底的に解説している本である。 唯物史観とは、単なる「下部構造が上部構造を決定する」という経済決定論ではなく、エンゲルス自体も「ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日」においても、上部構造の反作用を論考している。実際にフランス国家発展において、経済構造が上部構造を決定した事例は少ないように思える。 また原因と結果は相互に連関しあい、相互作用となるとも、エンゲルスは述べている。カントは原因と結果を別と捉えており、それを批判したとも述べる。 その後は長々と、ホッブスやルソーの国家論の歴史を紐解いている。著者は衒学趣味があるのかと思えるくらい、周りくどく、難解であった。 ただひとつだけ言えるのは、マルクス・エンゲルスは国家そのものに関する著作を残しいない。私有財産及び国家の起源くらいのものであるが、あくまでも歴史である。 後半の第二部では、マルクスがブルジョワ代議制と呼ぶ国家についての批判である。最終的にマルクスの理論に国家の理論をつけたのは、レーニンである。結局著者は最終的に何が言いたかったのか分からなかったが、題名どおりマルクス、エンゲルス、レーニンの国家に対する考え方の解説の本として読むにしても、少々難解である。ただ今一度、ドイツイデオロギーを読んでみようとは思えた。

Posted byブクログ