パリの放課後 の商品レビュー
絵里加12歳、審太郎8歳でパリに渡り海外生活を送った日々を綴るエッセイ。 子どもたちにとっては異国での生活は不自由さや困難もあり、海外で暮らせて帰国子女で良いねと言ったお気楽発言からは遠く離れた現実を送っているのだなと改めて思う。 日本帰国後の方が適応が大変というのはさもありな...
絵里加12歳、審太郎8歳でパリに渡り海外生活を送った日々を綴るエッセイ。 子どもたちにとっては異国での生活は不自由さや困難もあり、海外で暮らせて帰国子女で良いねと言ったお気楽発言からは遠く離れた現実を送っているのだなと改めて思う。 日本帰国後の方が適応が大変というのはさもありなん。 今は少し改善していると良いのだけれど。 こうした子どもたちの現実に、親はよく向き合い理解しながら接していかなければと思う。
Posted by
「パリ」が目につき、何となく手に取り、どうも夫についてパリ住まいになった奥さまのパリでの子育て体験記らしいなと読み始めた。読み始めは、上流の有閑マダムの愚にもつかない話かと思っていたが、意外と読みごたえがあった(あとがきを読んで知ったのだけど、そもそも教育に関するエッセイ募集のよ...
「パリ」が目につき、何となく手に取り、どうも夫についてパリ住まいになった奥さまのパリでの子育て体験記らしいなと読み始めた。読み始めは、上流の有閑マダムの愚にもつかない話かと思っていたが、意外と読みごたえがあった(あとがきを読んで知ったのだけど、そもそも教育に関するエッセイ募集のようなものに応募し、受賞した作品がベースになっているらしい)。 読んだ文庫版でさえ25年前、単行本はさらにさかのぼり1983年の刊行、題材のパリ滞在にいたっては三十数年前のこと。1970年代のパリの様子を知ることができるのは面白かった。また、発刊当時は専業主婦としてパリで子育てすることが題材になったんだとも思ったり(おそらく、今ではそういうトレンドはないと思う。パリで子育てしているだけでは題材にならないのでは)。 それと同時に、一昔前は人ってこんなにいろいろ考えながら生きていたんだなと思った。エピローグにあったのだが、もともと著者はNHKでアナウンサーをしていて、長子出産後は子どもを乳児院に預けてまで仕事を続けようとした人。そのくらい仕事を続けようとしていたのに、子どもと一緒に過ごしたいと家庭に入ったという人。今だって、働きながら育児については、何だのかんだの言われるが、一昔前はこのくらい葛藤しながら生きるものだったんだなと。
Posted by
- 1