藤ノ木古墳の謎 の商品レビュー
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1989年刊。 88年(バブル景気真っ只中)に発掘された藤ノ木古墳は過去の盗掘がなく、絢爛豪華かつ東アジア色のの強い副葬品の存在から、1400年のタイムカプセルとも評された。 その藤ノ木古墳から判明する様々な事実を解読し、また被葬者の謎に迫るのが本書である。 後半は橿原考古学研究所メンバーとの対談。副葬品を調査できる遺跡は、他国や他地域との関係性を議論でき、また、調査が許されない指定天皇陵よりは、被葬者検討の議論も容易。 確かに、本書の叙述は短く、飛鳥時代の実像に迫ったとはなかなか言いにくいが、検証作業はスリリングである。 また、発掘の同時代史の意味も看取できそう。
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