フランス革命の憲法原理 の商品レビュー
1793年憲法を「ナシオン主権」(=議会制民主制)と位置づけるか、「プープル主権」(=レファレンダムによる立法権行使も含む(半)直接民主制)と位置づけるか、という問題を出発点としながら、1793年憲法の制定過程を綿密に検討していくことで、憲法の主権原理の多様な可能性が浮き彫りにさ...
1793年憲法を「ナシオン主権」(=議会制民主制)と位置づけるか、「プープル主権」(=レファレンダムによる立法権行使も含む(半)直接民主制)と位置づけるか、という問題を出発点としながら、1793年憲法の制定過程を綿密に検討していくことで、憲法の主権原理の多様な可能性が浮き彫りにされている。検討されるのはジロンド憲法草案、モンターニュ派憲法草案、ロベスピエール憲法草案、アンラジェ憲法草案であり、これと制定された1793年憲法との比較から、草案がレファレンダム型の立法権を構想していたのか、それとも国民代表による(実質的な)議会主権を構想していたのか、という基準から腑分けされていく。個々の人間の思想についても触れるところが少なくないので、きわめて有用な研究である。
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