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聖なる愚か者 の商品レビュー

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2013/08/16

第一部はゲシュタルトの理論が分かりやすく書かれ、第二部は著者がそこから発展させたクラウニングの考え方やワークの様子が描かれている。 暗い箱に入れられた植物が、不自然な方向に成長していき、箱が取り除かれた後もその形が残ってしまうという説明は、古いパターンで生きる人の姿をよく表してい...

第一部はゲシュタルトの理論が分かりやすく書かれ、第二部は著者がそこから発展させたクラウニングの考え方やワークの様子が描かれている。 暗い箱に入れられた植物が、不自然な方向に成長していき、箱が取り除かれた後もその形が残ってしまうという説明は、古いパターンで生きる人の姿をよく表している見事な例。伝えにくいことをサラリと伝えられるのは、著者の経験の豊かさによるものだと思う。また「魚を与えれば一回の食事にはなる。だが魚の取り方を教えれば、望むときに食べられる」という考えの元に(子どもにとってはやや厳しく)展開されるプレイセラピー(アマンダの事例)は、珍しいセラピーのスタイルで、面白い。 後半に書かれていることのエッセンスは「道化師に不可能なものはなく、あらゆることに疑問を持ち、すべてを笑い、変化させ、遊ぶことができるのです」の一行に凝縮されている気がする。聖者ミラレバの奇行も道化師が行うのと同様、人々に「霊的秘密を教えるため」と理解すると非常に納得がいく。実践されているワークの様子はいまいち想像しにくいところもあるが、ユーモアのある力強い実践で、読みながら、自分もあらゆる可能性に開かれていてよいのだと思えてくる。

Posted byブクログ