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相対性理論のパラドックス の商品レビュー

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2019/10/27

学生時代に買って積読になっていたものだが、夏休みに帰省して実家で見つけ読んでみた。多分、パラドックスという言葉に興味をそそられたのだと思う。30年も前の話で、この頃は結構相対性理論について様々な啓蒙書が出てきた時代だったと思う。 双子のパラドックスなどは有名だが、そういう話題がよ...

学生時代に買って積読になっていたものだが、夏休みに帰省して実家で見つけ読んでみた。多分、パラドックスという言葉に興味をそそられたのだと思う。30年も前の話で、この頃は結構相対性理論について様々な啓蒙書が出てきた時代だったと思う。 双子のパラドックスなどは有名だが、そういう話題がよく出た時だった。本書は、一般相対論の内容には立ち入っていない。前半ではローレンツ変換と相対論的力学について述べられており、パラドックスとは銘打っているものの、何がパラドックスなのかはイマイチわからなかった。特殊相対論を当時流行した書き方で述べられているためなのかもしれない。哲学の話も少し出ていて、その辺は素養がない自分にはよくわからなかった。 興味深いのは後半の内容で、負の質量とタキオンについてどのような物理的帰結をもたらすのかが説明されている。ただ、自分としては内容があまりよく分からなくて、実際の物理というより形式的なものの印象を受けた。仮想粒子としてタキオンは実在が許されるというような話は興味深いが、現在の宇宙論などでは負の質量を持つ粒子やタキオンによって説明される現象などがあるのだろうか。ブラディオンとかルクソンとか聞かない用語が出てくるので、著者の理論は現在では廃れているのだろう。 巻末付録の論文が面白かった。なんとなくこの頃の相対論ブームみたいなものを思い出した感じがする。

Posted byブクログ