文久二年のヨーロッパ報告 の商品レビュー
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1989年刊。著者は法政大学教授。2回目の幕府海外派遣使節団(福沢諭吉・福地源一郎も参加)で、欧州訪問は初。非常に詳細(例えば、振る舞われた食事内容まで記載されている時も)で、また、物珍しさも手伝ってのことだろうが、各地の大歓迎ぶり(特に仏・蘭が顕著)には驚く。ただ、後年実施された大鳥圭介による視察日記に比して、団員が非技術者ばかりのため、科学技術や工業システムに関しては完全なお客様で、ここでの知見が日本に流入したとは言いにくいだろう。それにしても、語学が操れることの強みを福沢はまざまざと見せつける。
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