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標的の原野 の商品レビュー

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2024/07/08

冒険小説の名作『北壁の死闘』の作者ボブ・ラングレーが1977年に発表した処女作。誘拐されたBBC会長の身代金として誘拐犯が要求したものは、とある"フィルム"を放送することだった。誘拐犯を追うスタイナー警視長と、誘拐犯に拉致されフィルム制作を強要される元レポータ...

冒険小説の名作『北壁の死闘』の作者ボブ・ラングレーが1977年に発表した処女作。誘拐されたBBC会長の身代金として誘拐犯が要求したものは、とある"フィルム"を放送することだった。誘拐犯を追うスタイナー警視長と、誘拐犯に拉致されフィルム制作を強要される元レポーター、メリンガーの視点が交差しながら物語は進む。誘拐犯の狂気に狩られた不可解な犯行も恐ろしいのだが、作者の得意とする雪山での冒険劇にこそ、サスペンスとアドベンチャーの醍醐味が感じられる。中途半端に終わってしまう挿話とラストが気になるのが唯一の欠点。

Posted byブクログ

2021/08/16

1977年発表の処女作。不条理な誘拐事件を発端とする本作は、中盤まではサスペンスが基調、後半に至り極寒の山岳を舞台にマンハントが展開する。ただ、冒険小悦としてはまだ萌芽のレベル。人物造形の浅さや、余分と感じるエピソードの挿入で物語の密度が弱まっている。とはいえ、筆致は瑞々しく、新...

1977年発表の処女作。不条理な誘拐事件を発端とする本作は、中盤まではサスペンスが基調、後半に至り極寒の山岳を舞台にマンハントが展開する。ただ、冒険小悦としてはまだ萌芽のレベル。人物造形の浅さや、余分と感じるエピソードの挿入で物語の密度が弱まっている。とはいえ、筆致は瑞々しく、新たな旅へと出立したラングレーの熱い想いは伝わってくる。散見する冒険への息吹。環境破壊の問題を組み込んだテーマ、狂気の淵にいる犯罪者の哀しい半生など、印象に残る部分は多い。当然、ラングレーファンならば〝買い〟である。

Posted byブクログ