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ビアズリー伝 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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夭折した世紀末のイラ…

夭折した世紀末のイラストレーター、ビアズリーの人となりがつかめる。その作品を見ると、あるときは病的、あるときは偽悪的、露出的。そんな作品群は若くして亡くなったビアズレーの本質的なところから、止めきれずに噴出したものなのだ、ということなのだろう。読んだ後に改めて作品を見直したくなる...

夭折した世紀末のイラストレーター、ビアズリーの人となりがつかめる。その作品を見ると、あるときは病的、あるときは偽悪的、露出的。そんな作品群は若くして亡くなったビアズレーの本質的なところから、止めきれずに噴出したものなのだ、ということなのだろう。読んだ後に改めて作品を見直したくなる。

文庫OFF

2014/04/01

オーブリー・ビアズリーについて私は全くと言っていいほど何も知らなかったのでとても興味深く読んだ。 以前、フロベールの『サランボオ』の感想に『サロメ』と似ていると書いたが、この本を読んでフロベールはオスカー・ワイルドやその他にも多くの作家に影響を与えていることを知った。フロベール...

オーブリー・ビアズリーについて私は全くと言っていいほど何も知らなかったのでとても興味深く読んだ。 以前、フロベールの『サランボオ』の感想に『サロメ』と似ていると書いたが、この本を読んでフロベールはオスカー・ワイルドやその他にも多くの作家に影響を与えていることを知った。フロベール的というものがあることも。 オーブリーがバーン・ジョーンズやホイッスラーに影響を受けていたことも(そして知り合いだったことも)初めて知った。 私にはちっとも作風が似ていると思えないけど、初期のオーブリーは「バーン・ジョーンズ的」らしい。 それに私はオーブリーが当時世間からそんなに悪評を得ていたことも知らなかった。グロテスクで悪趣味なものと言われていたなんて。 今でこそ素晴しい才能だと誰しもが認めるところであるが、1890年代ということを考えると認めるのは難しかったのかもしれない。しかしそういう時代に新しい藝術を生み出したオーブリー・ビアズリーの才能には本当に舌を巻いてしまう。 とてもおもしろかった。

Posted byブクログ

2009/10/27

ビアズリーに関しては、沢山本を集めた時期がありましたが、その中でも一番読み甲斐があったのがこの本でしょうか。 どうも、自分は”カワイソウナ”ものに、とことん弱いのかもしれません。 ビアズリーに出会ったのは、オスカー・ワイルドつながりだったのですが、それとほとんど同じ時期に大好きな...

ビアズリーに関しては、沢山本を集めた時期がありましたが、その中でも一番読み甲斐があったのがこの本でしょうか。 どうも、自分は”カワイソウナ”ものに、とことん弱いのかもしれません。 ビアズリーに出会ったのは、オスカー・ワイルドつながりだったのですが、それとほとんど同じ時期に大好きなヴィクトリア朝の世紀末美術画集で彼のイラストを見つけて、これまた速攻、本屋さんへゴー!! 彼は幼い頃から病弱であって、結局は夭折してしまったのですが、その短い生涯に沢山の作品を残しています。 晩年は、「すべて焼却して欲しい」と希望したイラストも描いたりしていますが、すべてが幼い頃からずっと自分の近くあるであろう死を感じながら、生きることや描く事に執着した彼の活きた証だと 思います。 頬杖をついたポートレートが好きで、部屋に飾ってありますが、そういえば・・・蝋燭の灯りで絵を描く―という彼の流儀に憧れて真似したこともありました。 ヴィクトリア~ンな世紀末そのままのお人・ビアズリーを知るのには、とてもよい伝記かと思います。

Posted byブクログ