湘南 の商品レビュー
ブログを通してお付き合いをさせていただいている方の中には、湘南にお住まいだという方が何故か多い。 その方々のブログの写真や文章の紹介で、湘南の風景や街の空気を感じていた。 そんなときに手にした一冊が、この城山三郎のタイトルもズバリの「湘南」。 城山三郎といえば、経済小説の鬼才とし...
ブログを通してお付き合いをさせていただいている方の中には、湘南にお住まいだという方が何故か多い。 その方々のブログの写真や文章の紹介で、湘南の風景や街の空気を感じていた。 そんなときに手にした一冊が、この城山三郎のタイトルもズバリの「湘南」。 城山三郎といえば、経済小説の鬼才としても知られており、その硬派な印象から敬遠気味だった。 しかし、この作品はそんな経済界のドラマを描いたものではなく、本人が住む湘南の日々を穏やかな視線と丁寧な筆致で描いたエッセイ。 湘南住まいの方のブログの写真で映像情報がインプットされていたからだろうか、この作品を読みながら次々とその情景を思い浮かべることができた。 かつて東京に暮らしている頃に何度か湘南へは足を運んだこともある。 おぼろげな記憶が、この一冊でよみがえってきた。 自分の住む地をこんな風に語ることができるのは、土地への愛着があるからなのだろう。 静かに海の彼方に目をやったような、そんな読後感の持てる一冊である。
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