ホーボー アメリカの放浪者たち の商品レビュー
「ホーボー」という人々と、「トランプ」、「バム」といった言葉の違いについてを述べた上で、彼らがどんな人々だったか、社会の中でどんな位置づけだったか、について論じた本。 ジャック・ロンドン、ドス・パソス、ジャック・ケアルックという、1900年代初頭の作家の作品で、アメリカとそこに生...
「ホーボー」という人々と、「トランプ」、「バム」といった言葉の違いについてを述べた上で、彼らがどんな人々だったか、社会の中でどんな位置づけだったか、について論じた本。 ジャック・ロンドン、ドス・パソス、ジャック・ケアルックという、1900年代初頭の作家の作品で、アメリカとそこに生きるホーボーたちがどう描かれているか?の紹介が、ほとんどの頁を占める。 ほんの少しの時代の違いで捉え方が変わったり、三者三様に描き方が異なったりすることを論じつつ、アメリカという国が産んだ負の部分を語っているともいえる著作。 3人の作家の、それぞれの著作を読んでみたくなった。
Posted by
ホーボーとは1900年前半のアメリカにおいて、列車に無賃乗車をしては放浪しつつ、働き口を見つけた労働者たちのこと。社会問題になると同時に、文学的考察の対象にもなった。 本書では、三人の作家――年代順に、ジャック・ロンドン、ドス・パソス、ジャック・ケアルックを取り上げ、彼らの代表作...
ホーボーとは1900年前半のアメリカにおいて、列車に無賃乗車をしては放浪しつつ、働き口を見つけた労働者たちのこと。社会問題になると同時に、文学的考察の対象にもなった。 本書では、三人の作家――年代順に、ジャック・ロンドン、ドス・パソス、ジャック・ケアルックを取り上げ、彼らの代表作を追うことで、ホーボーの扱われ方、存在意義の変化を追う。 最初は資本主義社会が生み出した鬼子的存在として、次は徒党を組んで権力に抗議する存在として語られ、そして実質的なホーボーが消えてしまった1950年代になると、放浪者はひたすら逃げることで社会に抵抗を示す存在になり、ついにはあやしげな仏教の思想まで取り入れ、物質文明を拒否した求道者へと至る。 思うに、彼らがヒッピーへとつながるんだろうな。そしてホールデン・コールフィールドや、シーモア・グラスを生み出す母体となるんじゃないだろうか。 いずれにしてもホーボーが浮かび上がらせるのは、アメリカ社会の影の部分。
Posted by
放浪者=社会システムの犠牲者、政治活動家、新しいライフスタイル(ジャック・ロンドン、ドス・パソス、ジャック・ケルアック) 訳者あとがきに、フェイエッドの詳しい情報がわからんとあったのが面白かった。なんでそんなもんを出版できるんだよ。笑
Posted by
- 1