王女の涙 の商品レビュー
香山リカさんの「しがみつかない生き方」に引用されていて読んだ。「王女の涙(Tear of Princess)」という花の匂いに惹かれて家を借りる桂子。大庭みな子さんの作品をもっともっと読んでみたいと思うきっかけになった。~(王女の涙)は、木犀の葉に似た葉の間に数センチの花手毬のよ...
香山リカさんの「しがみつかない生き方」に引用されていて読んだ。「王女の涙(Tear of Princess)」という花の匂いに惹かれて家を借りる桂子。大庭みな子さんの作品をもっともっと読んでみたいと思うきっかけになった。~(王女の涙)は、木犀の葉に似た葉の間に数センチの花手毬のような淡紅色の花をつける。ひとつひとつの花は、ほんの直径一センチばかりの小さなもので、人工的な感じのするプラスティックめいた厚ぼったい星形の花びらの中心に赤いルビーをちりばめたような花芯がある。その紅い花芯のまわりに、つきが高く昇る頃、涙の露の玉がきらりと光る。その露は花芯から吹き出る蜜なのか、夜闇に漂ってくる芳香は、人を振り向かせるほどきつい。~
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