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生きているジャズ史 の商品レビュー

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2017/12/02

昨年からジャズの世界にハマり出し、何か良い本はないかとネットで模索する中で本書の情報を見つけ、即効、中古本のネット購入をしたのでした。 本書の初版は1988年6月6日となっており、手元に届いたのは第3版で1992年7月発行のもので、初版に新たな原稿が追加されているようです。 ...

昨年からジャズの世界にハマり出し、何か良い本はないかとネットで模索する中で本書の情報を見つけ、即効、中古本のネット購入をしたのでした。 本書の初版は1988年6月6日となっており、手元に届いたのは第3版で1992年7月発行のもので、初版に新たな原稿が追加されているようです。 ちゃんと帯もついており、帯には「50年代中期、ミュージック・ライフ誌に連載され、<鋭い視点でジャズをとらえ、わかりやすく歴史をつづった名著>と絶賛を浴びた『生きているジャズ史』・・・」と紹介されています。 著者の油井正一氏は1918年生まれで、まさにジャズと同時進行の人生を歩んでこられたジャズ評論家であり、リアルタイムのジャズを生々しく語るその語り口がまた独特の油井節で、ジャズファンならもう読書中は至高のひと時となること間違いなしです。 また、チョコっとジャズのことも知りたいなという気持ちで手に取った読者も、氏の独特の語りに、グイグイとワールドに引き込まれることは疑いないでしょう。 「ジャズってなんかわかんねぇ・・・」というのが一般的な感想だと思いますし、私自身もつい最近まで確実にその一人でした(笑)。 そんなところからジャズの世界へ足を踏み入れる流れのことが本書の最後のほうにこんな風に書かれていましたが、まったく納得です。 ***  ジャズにひかれる動機はいろいろあるでしょうが、まったく音楽というものを知らなかった人が、ある日突然ジャズのとりこになったというようなケースはほとんどありません。ある人はクラシック、ある人はポピュラーというふうにかなり長い間打ち込んだ末、やっとジャズの玄関先にたどりつき・・・というのがほとんどです。  ジャズのダイゴ味がわかってくると、世にも素晴らしい宝ものでもみつけたようになって、しばらくの間は一切のことを忘れて手当たり次第に聴いてみたくなる、というのも判で押したように、すべてのジャズ・ファンが歩む道であります。 *** 今年(2017年)は、ジャズ誕生からちょうど100周年にあたるそうですが、この100年間のうち、ジャズの誕生からほぼ前半60年くらいの歴史が濃厚に語られています。著者の豊富な知識もさることながら、ジャズに対する思い入れの強さというか、愛情というか、そういうものが文章からあふれ出しておりまして、読者の好奇心は、バリバリ覚醒させられてしまいます。

Posted byブクログ