1,800円以上の注文で送料無料

シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険 の商品レビュー

4.3

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

ホームズのパステーシ…

ホームズのパステーシュ長編では、たぶん最高傑作。れっきとしたホームズでありながらワクワクさせるエンタメ感は本当に素敵。ホームズの描写も正確なうえにフロイトも出てくるし。

文庫OFF

2021/02/03

1976年に映画にもなったホームズ贋作の傑作長編。コカイン中毒のホームズを医者にみせるためにモリアーティ教授をおとりにウイーンに誘き寄せる。ウイーンでホームズを迎えたのはジグムントフロイト博士。2人は奇妙な事件に巻き込まれる!どうもホームズがライヘンバッハの滝に落ちた後の大空白時...

1976年に映画にもなったホームズ贋作の傑作長編。コカイン中毒のホームズを医者にみせるためにモリアーティ教授をおとりにウイーンに誘き寄せる。ウイーンでホームズを迎えたのはジグムントフロイト博士。2人は奇妙な事件に巻き込まれる!どうもホームズがライヘンバッハの滝に落ちた後の大空白時代に起きたことらしい。70年代はホームズ物のパロディが多く書かれた時代だが、ホームズの描写も正確なうえにワクワクさせるエンタメ感が素晴らしく冒険小説としてのホームズ贋作長編はこの本が一番面白かったと思う。

Posted byブクログ

2020/05/19

2019年4月に読了。登録し忘れてた。 ホームズのコカイン中毒を心配したワトスンが、うまく理由をつけてドイツへ連れていき、フロイトに治療してもらうという、秀逸なパロディ。(あー、でも細かいところ忘れてる。最後、列車の追っかけっこみたいな展開になるのはなぜだっけ?(^_^;))

Posted byブクログ

2016/04/02

最後の事件やモリアーティについての事実はこうだった、というタイプのパスティーシュ。 ホームズのコカイン中毒がひどくなり、フロイトに診てもらうことに。 事件もあり、最後の方はハリウッド映画のような場面もありで面白かった。 ホームズとワトソンの関係性もぐっとくるものがあって良い。

Posted byブクログ

2022/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シャーロッキアンなら、たまらない一冊。あの敵役モリアーティ教授とライヘンバッハの滝で行方不明となり、「空き家の怪事件」で生還するまでホームズは何をしていたのか、その真相を公開したワトスン博士の未発表の手記である。 まあ、本当はニコラス・メイヤー氏のパスティーシュなのだが、ファンにとっては極めて嬉しい一冊。ジークムント・フロイトがサブ・キャラで登場するのも楽しい。

Posted byブクログ

2013/05/12

大好きです。 仕掛けられた推理をするホームズと、ハラハラと見守るワトソンのコミカルな心情、フロイト博士との駆け引き、薬と格闘するホームズとワトソンくんの対話は切ない気分にさせられて、イキイキとしたいつものホームズの冒険譚へなだれ込んで行く。最後はちょっと淋しいけれど、とても締まり...

大好きです。 仕掛けられた推理をするホームズと、ハラハラと見守るワトソンのコミカルな心情、フロイト博士との駆け引き、薬と格闘するホームズとワトソンくんの対話は切ない気分にさせられて、イキイキとしたいつものホームズの冒険譚へなだれ込んで行く。最後はちょっと淋しいけれど、とても締まりのある終わり方だったと思う。 この一連の流れを全部一冊の本で描かれてしまうのはもう感服です。 楽しかった。ウエストエンドの恐怖も読んでみたい。

Posted byブクログ

2013/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1975年イギリス推理作家協会賞受賞 原題は『THE SEVEN PERCENT SOLUTION』(7%の溶液)  『四つの署名』でシャーロック・ホームズが使用したコカインの濃度の意。 私(ワトソン博士)が結婚し診療所を開業してから、シャーロック・ホームズとは疎遠になっていた。 ある夜、ホームズはいつになく動揺した様子で現れ、「ロンドンで発生している迷宮入りの事件の多くはモリアーティ教授が首謀者であり、教授の手下に命を狙われている」と告げると眠ってしまった。 目を覚ましたホームズはモリアーティ教授の話を覚えておらず、コカイン中毒による幻想だろうと思った。 ところが翌日、60代の数学教師モリアーティが訪ねてきて、ホームズに付け回されていると訴えた。 彼は昔、ホームズ家で数学の家庭教師をしていた。 私はホームズに治療を受けさせるため一計を案じて、モリアーティをウイーンに行かせる。 計画どおりホームズは追跡を開始し、医師ジクムント・フロイトの家にたどりついた。 ホームズはフロイトの人間像を部屋の状態から言い当てるが、なぜおびき出されたのかについては見当つかないと答える。 「自分の非を認めるより、自分を救おうとした人達を裏切ることを選ぼうとしているホームズに失望した」とフロイトは言う。 「自分の意思の力で駆逐できなかったのに、あなたに何ができるか。最初の1歩を誤って踏みだしてしまった者は永久に破滅の道からそれることはできない」と言うホームズに対して、 フロイトは「破滅の道からきっと抜け出すことができる。多少の助けが必要だが、一歩踏み出したら最後というわけではない」と諭す。 そして、催眠術と鎮静剤を用いた禁断症状を抑える治療が行われる。 ホームズが回復に向かっているなか、事件が起こる。 それは、自殺未遂で収容されたヒステリーの女性を診てほしいというフロイトへの依頼から始まった。 女性の名前はナンシー・スレーター、アメリカのロードアイランド州出身で、オーストリア皇帝の親戚にあたるフォン・ラインスドルフの未亡人だと名乗った。 ホームズはナンシーが手足を縛られて屋根裏部屋に監禁されていたことを見破る。 その夜、オペラ・ハウスには故フォン・ラインスドルフの息子(バロン)と未亡人ナンシー・スレーターの姿があった。 バロンは以前、フロストがユダヤ人と揶揄されたことから、テニスの試合を行い、負かした相手だった。 <解決篇> ラインスドルフの未亡人は「彼女は小間使で、フォン・ラインスドルフが死んだ後、行方不明だった」と言った。 「教会の活動を手伝ったことがあるか」というホームズの問いに、「教区の福祉活動に熱心だった」と未亡人は答えた。 スレーター家はクエーカーという宗教に属しており、教会にはいかず、福祉活動を教区の活動とは呼ばないとホームズは説き、 息子のバロンが父親を殺し、義母のナンシーを監禁し、偽物を未亡人に仕立てたと推理する。 その夜、病院からナンシーが誘拐される。 「彼女は殺されてしまう」と失望するホームズに、フロイトは「義母に対する憎しみが強いからすぐ殺したりはしない」と言い、 「憎しみの要因は、実の母親に対する強烈な忠誠心と献身」と説明する。 バロンを追い駅に着いたときには、3時間前に特別列車を仕立てて出発した後だった。 機関車で後を追うが、途中で石炭を使い果たし、次々と客車を解体して燃料とした。 とうとう可燃物が尽き、あきらめかけたとき、特別列車の切り離された客車にホームズは飛び乗った。 列車の上でバロンとの決闘が始まった。 ホームズは劣勢で腕を負傷したが、バロンは自ら足をすべらせ、ホームズの剣に刺さり転落した。 トランクに押し込められていたナンシーを救い出すと、ホームズは私の腕の中に昏倒した。 ウイーンを去る前にお礼をしたいというホームズに、フロイトは催眠術をかけさせてくれと言う。 「人類を研究する最良の方法は個々の人間を研究することだから」と。 催眠状態のホームズは「なぜ探偵になったのか」という問いに、「不義を罰し、正義を行われるのを見るため」と答える。 彼の知る不義は「母が父を裏切り、愛人を作った」、そして正義は「父が母とその愛人を殺した」と語る。 その事実をホームズに教えたのが家庭教師のモリアーティだった。 「彼はこの事実を認めることができないから、われわれには何もできない」とフロイトは告げる。 フロイト一家に別れを告げたホームズは「自分をとり戻す時間がほしい」と、ひとりミラノ行きの急行列車に乗り去って行った。

Posted byブクログ

2012/03/04

本当のホームズ作品にも劣らない、夢中になって読めるし、ホームズ好きに一読をお勧めする(できる)本。 最初は何も知らずに、新しいホームズの作品が出たのかと思ってしまった。

Posted byブクログ

2010/09/30

コカイン中毒に侵されてありえない幻覚を見始めたホームズを、ワトソンがなんとか救おうとするおはなし。 トビー(もしかしてトビー・ダイクってこの犬からきたのかな?)やあのフロイト先生も出てきて、登場人物たちはみな愛嬌があって面白いし、なによりメイヤーの書き手に驚かされた!ここまで再...

コカイン中毒に侵されてありえない幻覚を見始めたホームズを、ワトソンがなんとか救おうとするおはなし。 トビー(もしかしてトビー・ダイクってこの犬からきたのかな?)やあのフロイト先生も出てきて、登場人物たちはみな愛嬌があって面白いし、なによりメイヤーの書き手に驚かされた!ここまで再現できるなんて、うっかり勘違いしそうになるくらい、違和感なしに読めた。 他のも読んでみたい。ぜひ! 個人的に面白かった場面は、汽車の中でのホームズとワトソンの会話。この車中に乗っているかもしれない天才たちがなだれに遭ったら人類にとって計り知れない損失になるといって嘆くホームズに、ワトソンは「また別の新しい天才が生まれるさ」と答えている。 面白すぎるよワトソン・・・

Posted byブクログ

2010/06/04

重度のコカイン中毒により、人畜無害なモリアーティ教授を世紀の悪党と思い込むシャーロック・ホームズ。彼を心配した親友ワトスンは、シャーロックの兄マイクロフトと共にある作戦を打ち立てた…。 ホームズとワトスンの絆、ジクムント・フロイトとの共演、パスティーシュらしい推理、スピード感溢れ...

重度のコカイン中毒により、人畜無害なモリアーティ教授を世紀の悪党と思い込むシャーロック・ホームズ。彼を心配した親友ワトスンは、シャーロックの兄マイクロフトと共にある作戦を打ち立てた…。 ホームズとワトスンの絆、ジクムント・フロイトとの共演、パスティーシュらしい推理、スピード感溢れる決闘、ホームズの知られざる過去…内容は盛りだくさんだが、すっきりとまとまっている。 前半はホームズの変わりようとワトスンの心中を案じて少し切なく。後半は「四人の署名」を思わせる手に汗握るチェイスで熱く。そしてラストはこれまたちょっと切なく。 全体的に愛の溢れた物語だった。ホームズとワトスンの友情物語と言っても間違いじゃない。なのでこのコンビが好きな人は是非読まれたし。ワトスンが健気に頑張ってくれるので、ワトスニアンにもオススメ。

Posted byブクログ