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世界を見てしまった男たち の商品レビュー

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2020/10/25

江戸中期からペリー来航までの、いわゆる鎖国が完成している時期に、暴風雨などにより漂流し、結果的に世界を見てしまった漂流民の物語。帰国を果たした人々の記録と、当時の社会情勢を加味して様々な検討がなされている。例えば、漂流することになるのはほとんどが船乗りであり、知識階級ではないこと...

江戸中期からペリー来航までの、いわゆる鎖国が完成している時期に、暴風雨などにより漂流し、結果的に世界を見てしまった漂流民の物語。帰国を果たした人々の記録と、当時の社会情勢を加味して様々な検討がなされている。例えば、漂流することになるのはほとんどが船乗りであり、知識階級ではないことから流れ着いた無人島や救助されたどり着いた外国の様子などはとても曖昧でぼんやりとしていること。ただこれは、帰国後も藩や幕府の目を恐れることになることからの必然かもしれない。また、外国の船に乗って送り届けられた日本人が、鎖国の一点張りで帰国できなかった事例もあるようだが、これも記録に残っている事例は少なく、もっと多くの人が帰国できなかった可能性がある。さらに、漂流というやむを得ない事情にも関わらず、帰国の後は奇異の目でみられ元の生活に戻れないことなど、今と変わらない排他的な態度もみられるようで、人間ってかわらないなあと思う。

Posted byブクログ

2011/09/03

鎖国していた江戸時代、図らずも海上漂流を強いられ、当時見ることを禁じられていた「世界を見てしまった」人たちの物語 中でも日本人として初めてアメリカ(正しくはメキシコだが)へ渡った永住丸の乗組員の物語は、映画化しても面白いのではないかと思えるほど、波乱万丈である。

Posted byブクログ