海の男たちのセーター の商品レビュー

とみたのり子【著】

2009/10/04

今年初めて、ガンジーセーターというものを買いました。
その着心地の良さに驚き、ストーリーを知るために、この本を探して読んでみました。
ガンジーセーターとは、売るためのセーターではなく、
「誇り高き英国フィッシャマンのユニフォームである」（本文より）ので、
漁業が衰退した今では「本物」は貴重品なのです。
一枚のニットにこめられた海の男と女の思いが、他のニットにはないストーリーを作っています。
著者は主に英国西海岸に海の男のセーターを尋ね、それを作った女たちを取材しています。
この本が書かれたのは２０年も前ですが、今はどうなっているのか心配です。
登場するニッターが、みんなおばあちゃんなので。
島の風景が、素朴で、寒そうで、いかにもセーターが似合いそう。
アランやフェアアイルセーターについても発祥の地を訪ねてその原点を探っています。
セーターの写真がすばらしい。編み物をする人は創作意欲を刺激されるでしょう。そうでない人も欲しくなるようなセーターがたくさん載っています。