完訳 千一夜物語(4) の商品レビュー
注目すべきは、女性側…
注目すべきは、女性側の不貞の話が多いこと。アラブ世界の女性の性質を顕しているというよりは、抑圧された世界での反動、という印象。
文庫OFF
あいかわらずおもしろすぎる。 約400ページの本の4冊目というのに、ページをめくる手がとまらない。 登場人物は王族、大臣、魔神、親切な老人とワンパターンなのだが、話のバリエーションが広く、どの話も先が読めない。 ディズニー的な動物の話が続いたかと思うと、今度は悲恋のシャム...
あいかわらずおもしろすぎる。 約400ページの本の4冊目というのに、ページをめくる手がとまらない。 登場人物は王族、大臣、魔神、親切な老人とワンパターンなのだが、話のバリエーションが広く、どの話も先が読めない。 ディズニー的な動物の話が続いたかと思うと、今度は悲恋のシャムスエンナハールの話がきて、ドタバタコメディ要素ありのカマラルザマーンの話に続く。 どうせ2人が結ばれて大団円だろうと思いきや、まさかのサッドエンドのシャムスエンナハールの話が今までで1番良かった!と思った矢先に、カマラルザマーン…がそれを上回ってきた。 カマラルザマーン…は、男装、レズビアン、男色、小児性愛といよいよなんでもありで、これが民話になっているんだから、なんとも性に自由な風習だったのだなぁ。 そしてこのキワモノがなんと優雅で流麗に描かれていることよ! 編纂したマルドリュスもすごいが、日本語にした訳者の方々の腕に唸る。いや、もしアラビア語の原典からこの表現で描かれていたとしたら、とんでもない文明の高さである。 例えばカマラルザマーンとブドゥール姫がついに巡り合って結ばれた際は、「それから両人は、日の昇るまで、腿と腕の真ん中で嬉戯を続けました。」と表現。ありていに言えば「情事に耽った」のだが、なんとも詩的で優美な格調を保った表現だこと。 性欲は情愛のプリミティブで根源的なことだと再認識するとともに、現代のように「卑猥な、タブーなこと」でなく、美しいことだったと気付かされた。
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倫理観を無視したような自由な発想とほどよいご都合主義と、やっぱり意味不明な展開と。 期待以上に面白かったです。 1巻を読んだ時から思っていたけれど、 美しい人は幸福になりました、 醜い人は不幸せになりました、というのがよくわからないし、 復讐してもオッケー、とか それでいて他の...
倫理観を無視したような自由な発想とほどよいご都合主義と、やっぱり意味不明な展開と。 期待以上に面白かったです。 1巻を読んだ時から思っていたけれど、 美しい人は幸福になりました、 醜い人は不幸せになりました、というのがよくわからないし、 復讐してもオッケー、とか それでいて他の宗教の信仰も認めてて、 主人公じゃないの?って人が途中から出てこなくなったり、 ずる賢いのは悪いことじゃないし。 なぞの倫理観です。 自給自足を前提としない、商人の文化だから? 賢く美しく、富と名誉を手に入れよう、 奪うのは土地ではなくモノを(だから盗賊がたくさん出てくる) という感覚なのでしょうか。 土地を奪うこと=戦争に価値を見出すのは、 土地が増えるほど豊かになる農耕民族だと読んだことがあるので、 小さな倫理観は意味不明でも、大きな視点ではとても平和主義的、合理的な価値観かもしれません。 最近こういう、むかしばなし、みたいなものに夢中。 前にちくまのマルドリュス版1巻だけ読んで、もう続きは手に入らないものだと諦めていたら、マルドリュス版売ってたなんて! しばらくバートン版かと勘違いして読んでいたけれど、1ページ目にきちんと書いてありました。 途中抜けている巻を探しにいかないと。 ハウルの動く城の、夜咲花って意味不明な名前だと常々思っていたけれど晴れた日の太陽とか、世紀の月とかいう名前をつける文化なんですね。 ハウルの方もカタカナで翻訳してくれてもいいのに。 イラストがとても美しい。 ダハナシュに運ばれるブドゥール姫の絵が好き。 なので続きも岩波で読みます。 太陽の話は暗いけれど、月の話は明るい。 わたしは悲しみに暮れて弱々しく死んだりしない。 向こう見ずな幸福に酔いしれるつもり。 見つからないなら探せばいいのだ。 悲恋は鏡花に限るので美しきシャムスエンナハールの話だけびみょーでした。 あと、アラビアンナイトは官能的などと言われるけれど、わたしにはエロいとグロいの違いがわからない。ので気持ち悪いシーンもあります。 みんなしょっちゅうハンマームに行くので、風呂入るかという気持ちになる。
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恋物語もなかなか一筋縄ではいかず。 あとジンニーが関わるとこんがらがるパターン(笑。 元に戻さなくてもいいのよそこは…。
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