花渡る海 の商品レビュー
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主人公久蔵は、江戸時代末期、その年にとれた最初のお酒を運ぶ船(新酒番船)で大阪から江戸にお酒を運ぶ途中破船してしまい、カムチャツカ迄漂流してしまう。ロシア人に助けられ数年をロシアで過ごすうち、ロシア人医師から種痘技術を学び日本に帰国する。種痘をした時に腕にできる赤い斑点を花が開いた、といって種痘が成功してことを意味する。久蔵は、ロシア人から学んだ種痘の技術で日本人を天然痘から救うことができると思い帰国したが、結局、見向きもされなかった。その後、他のルートから入ってきた種痘の技術によって日本は天然痘から救われることになるのだが、実はその何年(何十年)も前に久蔵という日本人がその技術を学んでいた。 日本人は昔から、それがどんなに素晴らしいことであっても、見たこと聞いたことがないことものを受け入れることはできなかった。今でもそうだ。自分を振り返ってもそうだと思う。
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吉村昭氏の主戦場である漂流ものと医療ものが混ざった内容。 当時のロシアは、日本からの漂流民を、日本語教師又は外交材料として巧みに利用しようとしていたことが伺い知れる。 読み書きのできる漂流民には、日本語教師要員として、ロシア人女性を近づけ結婚、改宗させ、帰国できなくさせてしまう。 それを知っている主人公は近づいてくる女性を断固拒否し、紆余曲折の後、やっとのことで帰国するが、種痘の伝来も叶わず、晩年の惨めな生活を見ると、何が良い選択だったのかは分からなくなる。
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人は置かれた環境の中でベストを尽くそうとするのが自然な姿なのだと思いました。最後は運が影響しますが、あくまでベストを尽くさなければならないのだと思いました。 久蔵が漂流してロシアで過ごした期間は数年であっても、その激動を生き抜いたということが尊いのだと思いました。 久蔵が川尻...
人は置かれた環境の中でベストを尽くそうとするのが自然な姿なのだと思いました。最後は運が影響しますが、あくまでベストを尽くさなければならないのだと思いました。 久蔵が漂流してロシアで過ごした期間は数年であっても、その激動を生き抜いたということが尊いのだと思いました。 久蔵が川尻に戻ってからの半生はまた大変なことだったのでしょうが、ボクは久蔵の心理を考えなければならないと思いました。 やはりボクは吉村昭の文体が読みやすいと感じ、司馬とはまた違った読了感に惹かれるのだと思いました。
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