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普段着の朝鮮語 の商品レビュー

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2022/10/04

「図書9月号」に斎藤真理子さんが「長 璋吉が描いた朝鮮語の風景」という文章を書いていて紐解いた。昔のハングル学習者がことごとく愛読していたという気持ちが、一読するとよくわかる。 ひとつは、韓国で生活するとぶち当たるであろう日常語がふんだんに使用されている。注目語にはハングルと日...

「図書9月号」に斎藤真理子さんが「長 璋吉が描いた朝鮮語の風景」という文章を書いていて紐解いた。昔のハングル学習者がことごとく愛読していたという気持ちが、一読するとよくわかる。 ひとつは、韓国で生活するとぶち当たるであろう日常語がふんだんに使用されている。注目語にはハングルと日本語読み、意味が添えられていて、キチンと学習になる。 ひとつは、60年代、70年代はじめのソウルの情景が生き生きと語られていて、「あー、ちょっと前まではこんなんだったのね」と楽しい。私が読むと微かに面影は見つけられる(2000年代初め)が、現在の旅人にとってはどうだろう? 是非手元に置いておきたいとは思ったが、古本はあまりにも高くなっていた。河出文庫には、是非再版を希望したい。 以下、メモ。 아이 추워(アイ、チュゥオ おお、寒う)やがてなれるに従って、「アーィチョッ」になったという。1月2月に行けば、正にコレだ。 여관 (ヨガン旅館)여인숙(ヨインスク旅人宿)について。こういう安宿についての私の思い出は山ほどあるが、長さんのころ(60年代)には旅人宿が、一泊520ウォンだったそうだ。私の泊まった最安は10000ウォン(1000円)だった。入ると、2畳ほどの部屋に煎餅布団と小さなテレビしかない。半分くらいは売春宿として使われている。らしい。私は寝ることができればそれでよかった。旅館の最安は25000ウォン(2010年頃)。今は多分絶滅していると思う。 60年代の보수(ボス バス)は、10ウォンバスと20ウォンバスがあった。確かつい最近までソウル市内を走っていなかったか?60年代の頃はなんと、少女が必ず車掌として乗っていて料金を徴収していたらしい(日本もそうか。少女ではなかったが)。「빨리 빨리 타세요(パリ パリ タセヨ お早くお乗りください)」と言いながら、客をバスの中に蹴込んだいるのは新聞マンガの風刺のネタになったりしたらしい。 장 보러 간다(ジャン ボロ カンダ 市場に買い物に行く)。外国に行けば必ず市場(시장)に行くべし。驚くべきことは、日本の市場は高度成長期にスーパーマーケットによって駆逐されたのに対して、韓国のそれはかなりが未だに現役でいるということだ。対面の売り買いでないと信用できないという意識が、国民意識となっている。 韓国留学経験者か、ちょっと韓国に旅慣れた人か、ディープな韓国を知りたい人が読んだら、懐かしさや驚きがたくさんある本だと思う。

Posted byブクログ