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朱夏(上) の商品レビュー

4.5

6件のお客様レビュー

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2021/07/17

ワガママなお嬢様で通して物語が進んでいけば読みやすかったのかも知れない。 自分が無知だったり世間知らずだと回想しながらいうので感情移入できず、しかも綾子に敵意を抱く。 途中で投げ出して何カ月かぶりに読むがあまり進まず。

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2016/04/10

☆☆☆☆☆『流れる星は生きている』(藤原てい)と同様、幼い子供を抱えた母親の満州での生活の苦労が描かれている。 第一次世界大戦から第二次世界大戦の敗戦までの間の中国内での日本の歴史は、興味があり幾冊かの歴史書で読んできたが、表層的な歴史的史実と実際に渡満した日本人の苦労が、重な...

☆☆☆☆☆『流れる星は生きている』(藤原てい)と同様、幼い子供を抱えた母親の満州での生活の苦労が描かれている。 第一次世界大戦から第二次世界大戦の敗戦までの間の中国内での日本の歴史は、興味があり幾冊かの歴史書で読んできたが、表層的な歴史的史実と実際に渡満した日本人の苦労が、重なり合うと、自分のなかで一本の映画ができあがってくるような感覚になる。 この時代のメディアである新聞は、真実の報道とは程遠く、その量も頻度も限られていて、私たちが現在知りうる歴史的事実さえも、当時の満州に渡った日本人は知らずに、あるいはかなり遅れて知らされていたから、この小説のなかにでてくる人々は、当時実際の世界とはズレていた世界を生きていたことがわかる。 日清、日露戦争、第一次世界大戦と勢いづく日本の姿とは別に満州に渡った日本人の暮らしは、緊張と貧困へ追い込まれていった様子が対照的だった。

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2013/06/27

ハラハラドキドキしました。 いつ満州で暴徒が襲ってくるかもしれない、死がすぐそこに忍び寄ってくる描写は読んでいてとても怖かったです。満州での生活が余りにも酷くて最初の日本での様子が余りにも遠く感じました。 こんな実体験をしていたら今の世の中どんな風に感じるのだろう、と思いました...

ハラハラドキドキしました。 いつ満州で暴徒が襲ってくるかもしれない、死がすぐそこに忍び寄ってくる描写は読んでいてとても怖かったです。満州での生活が余りにも酷くて最初の日本での様子が余りにも遠く感じました。 こんな実体験をしていたら今の世の中どんな風に感じるのだろう、と思いました。余りにも幸せが当たり前のようにある現在は、どんな風に映るのだろう。 【下】に続くラストが不穏な感じに思えたのですが、どうなっていくのでしょうか。

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2012/09/12

終戦間際の1945年春。18歳の綾子は結婚したばかりの夫、要に従い生後50日の美耶を抱いて満州へ渡った。 土佐の開拓団のこどもたちに教育を、と志す教師の要とともに、満州に大きな希望を抱いていた綾子だったが、見るもの聞くものすべてに驚愕、甘やかされて贅沢に育った身にはつらい日々の始...

終戦間際の1945年春。18歳の綾子は結婚したばかりの夫、要に従い生後50日の美耶を抱いて満州へ渡った。 土佐の開拓団のこどもたちに教育を、と志す教師の要とともに、満州に大きな希望を抱いていた綾子だったが、見るもの聞くものすべてに驚愕、甘やかされて贅沢に育った身にはつらい日々の始まりであった…。 いわゆる自伝的小説。 にもかかわらず終始綾子に向けられる冷静で客観的な視点が、自省の念も込められているとはいえ、さすがだと思う。 入植から引き揚げの過酷な過程と、開拓団と行動をともにしてはいるものの教師とその家族という異質な立場に置かれた複雑な状況が胸に迫る。 引き揚げを題材にした小説はいくつか読んでいるが、綾子が未熟な女性であるがゆえに、当時の日本人たちの心理が率直に伝わってくる。

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2011/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

集英社文庫のナツイチ、2008夏の一冊に選ばれていました。 中国から引き揚げてきて人の自伝的私小説と言われています。 「櫂」、「春燈」との三部策。 自分をはじめとする時代的な背景を理解していない人にとっては日本の歴史としてこういうこともあったのかという視点を与えてくれるかもしれません。

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2009/12/15

人の逞しさを痛感する。 シイタケが嫌いと残す娘を見て、「綾子に食べさせたい…」と思ったり。 (はだしのゲンを読んで同じようなことを子らも言っていたけど) 1年5か月くらいの短い期間を満州で過ごした著者とその家族。短い期間とはいえ、その中身はすごい。 終戦後の満州から、長...

人の逞しさを痛感する。 シイタケが嫌いと残す娘を見て、「綾子に食べさせたい…」と思ったり。 (はだしのゲンを読んで同じようなことを子らも言っていたけど) 1年5か月くらいの短い期間を満州で過ごした著者とその家族。短い期間とはいえ、その中身はすごい。 終戦後の満州から、長い距離を歩いて命辛々帰ってきた人達が書いた本は今までにも何冊か読んだが、この著者はどちらかというとじっと耐えに耐えて帰国したという感じ。 開拓団員ではないから、ちょっと違うのかな? 読み応え十分だった。

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