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武田軍記 の商品レビュー

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2013/03/05

武田氏の栄光と滅亡を、フィクションをまじえず確実なデータのみにもとづいて、なまなましく描きあげる。(1988年の刊。単行本は1965年の刊) 郷土史家 小林計一郎氏による著作。さすがに古びているが温故知新の1冊で得るところが多い。信玄の誕生から武田氏の滅亡までをあつかっている...

武田氏の栄光と滅亡を、フィクションをまじえず確実なデータのみにもとづいて、なまなましく描きあげる。(1988年の刊。単行本は1965年の刊) 郷土史家 小林計一郎氏による著作。さすがに古びているが温故知新の1冊で得るところが多い。信玄の誕生から武田氏の滅亡までをあつかっている。 武田家の軍制の解説はなかなか面白い。兵粮は原則として自弁であり、軍役状以上の人数を連れて行った場合は、その分の兵粮は支給されたという。兵粮を確保するため3割の利息で借りた話が紹介されている。 三増峠の戦い、帰陣の途中自分の国の神社を打ち壊して薪にしてしまうエピソードを紹介し、勝利というほどのこともなかったと推測している。 滅亡後の武田家臣団の動向についても丁寧に触れられていて良い。 文庫本ながら丁寧に史料が解説されていて良い。本書は新田次郎が小説の種本として使用したというが充実の一冊でありおススメである。

Posted byブクログ