死を望まれた男 の商品レビュー
毒舌で事あるごとに周…
毒舌で事あるごとに周囲の神経を逆撫でにしていた男チャーリーが、唯一の親友が結婚する朝、撲殺体となって発見された。捜査が行きづまるかに見えたとき、事件は意外なところからほぐれだした…。
文庫OFF
時代設定は発表と同時代だろう。ウェクスフォード警部のいるイギリスの田舎町で親友の結婚式のその朝、運転手のチャーリーが殺された。最近金回りがよく、高い入歯を入れ、毒舌で仲間たちからは嫌われていた。同時に、不仲な老夫婦の乗った車が横転し、乗っていた夫と娘は死亡、妻が残されたが、妻は娘...
時代設定は発表と同時代だろう。ウェクスフォード警部のいるイギリスの田舎町で親友の結婚式のその朝、運転手のチャーリーが殺された。最近金回りがよく、高い入歯を入れ、毒舌で仲間たちからは嫌われていた。同時に、不仲な老夫婦の乗った車が横転し、乗っていた夫と娘は死亡、妻が残されたが、妻は娘は生きていると言い張る。この二つの事件が交差する。解決してみれば動機は単純かな。でも物語の入口がうまい、ルース・レンデルでは初めて一気読みしてしまった。 かつかつの生活を送るチャーリーの友人の子だくさんの運転手の家庭の描き方、狭い家で子だくさん、疲れた妻、乱雑に散らかった室内、この描写を読みながら我が家を見回すと、あー、散らかってる・・ 1969発表 1988.9.30初版 図書館
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
メインの被害者となるチャーリー・ハットンの、周囲の人々に与える嫌悪感がレンデルにしては描き込みが足りず、薄味だったように思われる。 2つ目の、ファンショーの事件がハットン殺害事件に結びつくのは容易に想像できたが敢えて登場回数を減らした準登場人物を犯人役に持ってくる手法はいかにもレンデルらしい。 今回感心したのは、キングズマーカム署に備え付けられたエレヴェーターの使い方。この小道具をコミカルに、そして有意義に活用している手際は見事。
Posted by
- 1