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枕草子(上) の商品レビュー

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2011/04/08

書誌学者、国文学者として活躍された川瀬一馬先生の全訳注による『枕草子』(上下巻)。すでに絶版ではあるが、1987年の発行だから、他の類書と比較しても古いものではない。 構成は前半を原文と校注、後半に続く現代語訳との間に補注を設けているので、角川ソフィア文庫版『枕草子 付現代語訳...

書誌学者、国文学者として活躍された川瀬一馬先生の全訳注による『枕草子』(上下巻)。すでに絶版ではあるが、1987年の発行だから、他の類書と比較しても古いものではない。 構成は前半を原文と校注、後半に続く現代語訳との間に補注を設けているので、角川ソフィア文庫版『枕草子 付現代語訳 (上下巻) 』と同じスタイル。しかし、同じ『枕草子』といっても、底本は異なるので味わいも結構違ったものになっている。 こちらは能因本系統である、加藤磐斎『清少納言枕草紙抄(磐斎抄)』(延宝2年(1674年)刊、14巻7冊)を底本としている。これは資料的にも希少なので、何らかの形で復刊してほしいと思う。 川瀬一馬先生は『枕草子』以外にも、『方丈記』や『徒然草』、『和泉式部日記』、『蜻蛉日記』、『土佐日記』などの古典作品の訳注書を同文庫から出されていた。どれも著作としては古く、現代語訳も平均的なものだが、脚注や補注には参考になるところが多い。 「BOOK」データベースより 源氏物語が“あはれ”の世界なら、枕草子は“をかし”の世界という。才たけた美貌の中宮、定子の豊かな文芸サロン。その自由で対等な、エスプリに溢れ、遊び感覚の男と女の交歓を、とりわけ中宮への深い敬慕をこめ、鋭い感性と知的批評的精神で活写。平安の華麗な宮中生活の実態を綴った、唯一の記録文学である。

Posted byブクログ