イヴァン雷帝 の商品レビュー
、アンリ・トロワイヤの伝記の特徴はとにかくドラマチックで読みやすいというところにあります。 無味乾燥な固い歴史本というよりも、まさに小説といってよい語り口です。 ですのでとても楽しく読書することができます。 イヴァン雷帝がどんな人物で何を行ったかを知るにはこの本は最適です。...
、アンリ・トロワイヤの伝記の特徴はとにかくドラマチックで読みやすいというところにあります。 無味乾燥な固い歴史本というよりも、まさに小説といってよい語り口です。 ですのでとても楽しく読書することができます。 イヴァン雷帝がどんな人物で何を行ったかを知るにはこの本は最適です。彼の残虐行為は目を疑うほどの凄惨さです。アンリ・トロワイヤはそれを迫力ある筆致で追っていきます。 同時に彼のなした偉業や、あまりに巨大なスケール感も感じることができます。 これを読めば暴君、名君ということについてとても考えさせられます。 文句なしに面白い1冊です。歴史小説として気軽に手に取ってみる価値ありです。
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現在のロシア=プーチンが、何を目指し何処へ向おうとしているのかは正直に言って謎です。あまりにも時代錯誤的な解答しか思い描けないので。しかし、その解答のひとつはここにあるのかもしれません。 少年時代のイワンの置かれた状況から、その信仰と統治への姿勢は、何となく理解しながらも「違う」...
現在のロシア=プーチンが、何を目指し何処へ向おうとしているのかは正直に言って謎です。あまりにも時代錯誤的な解答しか思い描けないので。しかし、その解答のひとつはここにあるのかもしれません。 少年時代のイワンの置かれた状況から、その信仰と統治への姿勢は、何となく理解しながらも「違う」と思いつつ読み進める事はできます。でもそれは初めのうちだけ。人間はどこまで残忍になれるのか?ロシアという風土は、たびたびこのような統治者を生み出さざるを得ないのかもしれません。
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イヴァンとアレクセイがいっぱい出てきて混乱しますが、みんなあっという間に殺されますので覚える必要はありません。 スターリンがイヴァンを心酔してたときいて、ベタ過ぎるだろうと思いつつ納得。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ロシアの皇帝をあまり知らなかったので、古本屋でふと買ってみた。 けっこう読むのに骨が折れた(もともと硬い文章を翻訳しているからか翻訳が古いからなのか)けども、勉強になった。 ツァーリとは神に定められし者、神と最も近い者、を意識して生きた皇帝という書き方が貫かれていた。 拷問シーンもいろんな拷問を挙げていて結構グロい。これを本当にやるなんて狂人としか思えない。 これだけの暴挙に出ながら信心深いというのは矛盾している気もしたけど、神に認められたものなのだからなにしても許されるという考え方も成り立つのか。信心深さとそれに基づく繊細さを除けば、イメージ通りの残酷な王だった。
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