王歌 の商品レビュー

小川国夫【著】

2011/03/11

ダビデの物語～イスラエルの王サウルに侍る歌唱いのダビデは羊を襲う山犬相手に練習してきた投石の技を遣ってペリシテ人の強敵ゴリアテを倒し、百人隊長から千人隊長となり、王の娘との縁談がまとまりそうだが、サウルは一代限りの王になるのを悲しんでダビデを亡き者にしようと汚鬼に取り憑かれる。司祭の言葉とミカルの説得に促されてダビデは荒野に出るが、辿り着いたペリシテ人の町ガテでは狂人を装って難を逃れ、アドラムの洞穴に住み着くが、そこを訪れたのはサウルに父を殺されたイッタイであった。ダビデの逃亡で危うくなったダビデの一家をベトレヘムから連れ出し、手勢を率いきたためアドラムの人口は増えたが、ダビデは対サウルの軍を興そうとはしない。王に居所を知られたダビデは塩の海の南に家族を避難させるが、そ道中で姉の子３人が汚鬼に襲われ看病のため泉の許に留まったダビデは竪琴で汚鬼を退治し、甥３人を貰い受け、アヒノアムを最初の妻として得た。ケイラの森で再結集したダビデの軍はペリシテに襲われているケイラの町を救うが、そこを根拠地とはせず、荒野に出て行く。根拠地を得たと考えたサウルは大軍を催してダビデを捜索するが、ダビデはサウルを殺害するチャンスが訪れても、その衣を切り取るだけで危害は加えなかった。無礼な羊飼いナバルに制裁を加えようと数百人を率いて出陣したダビデはアビガルに説得されて思い止まり、ナバルが石のように固まって死ぬと、アビガルを第二の妻として迎え、同胞を殺さずに済んだことを感謝した。ダビデを抱き込むことを目指したペリシテ人領主アキシの誘いでチクラグの町に駐屯したが、ペリシテが大軍でサウルを攻める軍勢の一員に加えられたが、アシドドの領主に嫌われ、去らされた後、サウルが戦死した報をがもたらせる。人々はダビデを王位に据えるが、ダビデはサウルの一族が残っていないことに心を痛める。イッタイは百姓の嫁として嫁いでいたカミルを召し出す計画を実行する～この本も完璧に絶版だろう。わざわざ古めかして書いているに違いないが、それらしく読めるから大したものだ