クロッカスの少年 の商品レビュー
草土文化ジュニアSF選は全5巻別巻1の構成で、各巻にはテーマがあるようです。 本巻のテーマは、宇宙旅行だとか宇宙人との遭遇なんでしょうか。 【ふるさとは宇宙船】堀晃 スケールの大きな設定。この世界観では他にも色々なドラマが起こりそう。連作としても面白そう。自分ならどの...
草土文化ジュニアSF選は全5巻別巻1の構成で、各巻にはテーマがあるようです。 本巻のテーマは、宇宙旅行だとか宇宙人との遭遇なんでしょうか。 【ふるさとは宇宙船】堀晃 スケールの大きな設定。この世界観では他にも色々なドラマが起こりそう。連作としても面白そう。自分ならどのようなドラマを想像するか。 そして同じシチュエーションであっても存続不可能となって滅んでいく文明もありそうだ。 横田さんの解説によると、「スターシップテーマ」と呼ばれる巨大な宇宙船を舞台にしたSFの変形ということです。 【テスト】眉村卓 一般的な作品では不良やら落ちこぼれやらが主人公になることが多く、優等生タイプは嫌な役として登場することが多いような気がしますが、眉村卓さんの作品の主人公は優等生タイプが多いような気がします。 本作品の主人公は文芸部の部長ですよ。 彼の才能はアンバランスの上に築かれている、となかなか哲学的な落としどころ。なかなか大事なことを問題提起しています。 私も優等生タイプだったのですが精神が弱く、対人関係やら色々な問題に対処し切れず重いうつ病になって人生から落伍していきました。 ジュブナイルSFを読んでいる少年少女の皆さん、将来のことを考えていますか? 【次に来るもの】今日泊亜蘭 山の中の村の畑に突然現れた空飛ぶ円盤。発見した明治大正生まれの三人のおやじさんがあたふたするシーンは牧歌的。しかし展開は次第に深刻なものに……。 明治生まれの今日泊亜蘭さんはSF界の最長老と言われるだけあって、古き良き日本の講談や街頭紙芝居を思わせる独特の雰囲気がありますね。 【クロッカスの少年】横田順彌 花が好きな女子高校生がクロッカスの精と宇宙旅行するという少女マンガの世界。 それもそのはず、集英社コバルト文庫『2095年の少年』に収録された作品らしい。 巻末の解説で横田さんは 「ユーモアSFの書き手として知られている著者の、もうひとつの面のよく現れた作品だ」 と自作解説されています。 【植民星アルテアIV】豊田有恒 この作品については以下のブログに書きました。 少年少女・ネタバレsalono(ネタバレ注意!) 哲学SF白熱教室!?【植民星アルテアⅣ】ネタバレ検討会 https://sfklubo.blog.jp/archives/17669353.html いやあこんなジュヴナイルSFアンソロジーというのもいいもんです。本来なら中高生時代に読んでおきたかったものです。私のその頃は、前半は本屋も図書館もない田舎暮らしで本を読みたいのに本を入手することができなくて、後半はうつ病を発症して本すら読めない精神状態に追い込まれていました。50を越えてようやく精神状態も改善して本が読めるようになってきました。失われた青春時代を取り戻すべく、せめて少年少女向けのアンソロジーだけでも読んでいこうと思います。 ということで、しばらくこのシリーズを読んでいきたいと思います。 SF KidなWeblog ジュニアSF選【クロッカスの少年】草土文化 https://sfkid.seesaa.net/article/498372533.html
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