路上の人びと の商品レビュー
『読書の軌跡』阿部謹也より 社会が大きく転換しつつあるとき、すべてのものが動いているかに見える。そのようなとき、どこに視点を定めたら、その社会の根本的な変化の様相を捉えることができるのだろうか。社会思想史家として土器時の境地を開いた良知力氏が病をえて他界する前にこの問題について貧...
『読書の軌跡』阿部謹也より 社会が大きく転換しつつあるとき、すべてのものが動いているかに見える。そのようなとき、どこに視点を定めたら、その社会の根本的な変化の様相を捉えることができるのだろうか。社会思想史家として土器時の境地を開いた良知力氏が病をえて他界する前にこの問題について貧困の底にあった大衆や流民に目をむけ、1848年革命期のヨーロッパの社会と思想を捉えようとしていた。本書は良知力氏の編集計画に従って十九世紀のヨーロッパの大衆の実態を当時のビラや絵入り新聞などを用いて明らかにしようとしたものであり、良知力氏の死後弟子たちが師の意志をついで書き続けたものである。
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