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フーコーの声 の商品レビュー

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2019/02/23

「フーコーの声」というタイトルですが、フーコーの思想だけがテーマとなっているのでなく、多様なテーマがあつかわれている本です。著者のエッセイのほか、フランス文学者の清水徹、豊崎光一、蓮實重彦らとの座談会や、哲学者の中村雄二郎、科学史家の村上陽一郎との鼎談などが収録されています。 ...

「フーコーの声」というタイトルですが、フーコーの思想だけがテーマとなっているのでなく、多様なテーマがあつかわれている本です。著者のエッセイのほか、フランス文学者の清水徹、豊崎光一、蓮實重彦らとの座談会や、哲学者の中村雄二郎、科学史家の村上陽一郎との鼎談などが収録されています。 清水、豊崎との鼎談では、フランスにおけるニーチェ受用がテーマになっており、クロソウスキーやドゥルーズらのニーチェ解釈が俎上に上げられています。また、中村、村上との対談では、十七世紀という時代がテーマになっており、古典演劇としてのラシーヌの位置づけについての著者の議論と、科学革命にかんする村上の議論を、中村がうまく絡めており、中村のコーディネーターとしての能力の高さが引き立っています。 著者のエッセイでは、パリ滞在時にフーコーを訪問したときの様子が語られており、興味深く読みました。

Posted byブクログ